トランプ政権は米投資家による中国への投資を制限する方法を議論しているとブルムバーグが関係者の話として伝えた。米中が貿易戦争の停戦交渉を進める中でその議論は行われており、米国からの投資規制は新たな紛争を生み、関税を遥かに超える混乱を引き起こす可能性があるという。
トランプ政権が検討している選択肢には、米証券取引所に上昇している中国企業の上場廃止や、米投資家が年金基金を通じて行っている中国へのエクスポージャー(割合、総量)を制限するというのが案として挙がっているという。
関係者によると、具体的な方法やメカニズムはまだ決まっていないが、トランプ大統領は議論することについてはゴーサインを出した。
==(以上、引用終わり)==
先日、「ソフトバンク、ヤベーんじゃねーの?」という記事を書きましたが、その中の「④米議会、外資上場企業の監査強化法案を提出」が具体化しつつあるようですな。
■議会の方が強硬派
上記引用記事では、トランプ政権が主体のように読めますが、ディール(取引)で妥協する可能性のあるトランプよりも共和党の方が強硬派のようです。(安易な妥協をするな!とトランプに釘を刺しています)
そして、対中国に関しては民主党も協力しています。
■トランプは有言実行
メキシコの壁、不法移民の排除、TPPから離脱、パリ協定(温暖化対策)から離脱、同盟国の軍事費負担増、エルサレムをイスラエルの首都と承認、中東からの足抜け(マティスをクビにしてアフガンから撤退)、カナダ・メキシコを始め貿易協定の改定、対中国の貿易赤字是正…。
トランプの公約実行度は非常に高いです。(達成度ではないことに注意w)
では、このNY市場の中国企業廃止や中国への年金基金の投資制限は?
ゆかぴょんはいずれ実行されることになると予想しています。
観測気球を打ち上げることで、米投資家、年金基金の早めの対応を促していると思われます。
■アリババ、香港上場を計画
NY市場に上場している中国企業の時価総額は約130兆円だとか。
最大の企業はアリババ(4321億ドル、約46兆円)です。
何故、アリババはNY市場で上場しているにもかかわらず、香港市場での上場を計画したのか?
(NY市場から締め出される可能性を考慮し、他市場での資金調達を可能としておくためと思われます)
しかし、8/21に金融市場と政治情勢の不安定化を理由に香港上場を延期しています。
■アリババは誰のもの?
創業者のジャック・マー氏は55歳の誕生日である9/10に会長職を完全に引退しました。
何故55歳の若さで引退?後継は誰になるのか?
答えは、中国共産党にとって不都合になったから、都合のいい存在に挿げ替える…でしょう。
■アリババがファーウェイ同様、取引制限の対象になる可能性
現在、ファーウェイとその関連会社は米国の禁輸対象リスト(エンティティ・リスト、EL)に追加され、米国の技術及び製品の輸出が禁止されています。
第三者や第三国が「米国製の部品や技術が25%超含まれた商品」をEL対象に輸出した場合、米商務省のDPL(取引禁止顧客リスト)に記載されて米企業や他国からの米国製品の輸入が禁止されます。
また、DPLはエンドユースの確認も義務付けられており、共同開発などの人への技術移転も制限されています。
アリババのタオバオやアリペイの取引内容は、中国当局に情報提供されていると思われます。
(そうでないと説明のつかない事象が中国では度々起きており、暗黙の常識なのでしょう)
そのようなアリババと米企業が取引・技術提供していいのか、アリババの提供する決済手段やクラウドサービスと米企業を切り離すべきではないか、といった議論が米国内でされている…とゆかぴょんは想像しています。
■ソフトバンクとアリババの関係
9/27(金)終値
ダウ平均 26,820(▲70.87 ▲0.26%)
アリババ 165.98(▲9.02 ▲5.15%)
ソフトバンクの含み益は、9/27時点で15兆6400億円(うちアリババは12兆円、約76%)
ソフトバンクは「ペイペイ」を始め、アリババと様々な業務提携をしています。
アリババの株価が下がったら…、アリババとの関係を制限しないといけなくなったら…、という経営上のリスクを抱えており、いずれそれが顕在化するのではないかな~とゆかぴょんは予想。
まあ、予想とふんどしは向こうから外れるといいますからな。
ソフトバンクG7割集中投資家が「どんなもんじゃ~い!!」と世界の中心で叫ぶ未来もあるかもしれませんが、「銘柄に惚れるな」という相場格言もあります。
集中投資もほどほどに…と思うゆかぴょんなのであった。ちゃんちゃん。