NECは5月27日、人工知能(AI)を活用した創薬事業に参入すると発表した。6月下旬の株主総会で電機事業などに限っている定款を変更し、創薬に本格的に取り組めるようにする。
第1弾としてフランスのバイオ企業、トランスジーンと組んでがんワクチンを開発する。がん細胞をAIで解析し、患者ごとに最も効果のある薬を作れるようにするという。手間のかかるゲノム解析をAIに任せることで、薬の開発期間を大幅に短縮し、オーダーメードの治療を可能にする。米英仏で治験を実施し、当局による承認を目指す。
創薬事業の売上高や利益の目標は明らかにしなかったが同日、都内で記者会見したNECの藤川修執行役員は「2025年に創薬事業を売却したと仮定して、3000億円の値段が付く事業価値を創造する」と意気込んだ。
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NECの6/3(月)終値3955円、時価総額1兆301億円。
2012年の一時期1000円タッチした頃に比べれば株価はほぼ4倍になっていますが、リストラに次ぐリストラを繰り返し、アベノミクスの恩恵で何とか生きながらえてるような存在でよくもまあ…。
富士写のような業態転換の先例はありますが、それにしても何の基盤もなく、シナジー効果もない中で「手間のかかるゲノム解析をAIに任せることで、薬の開発期間を大幅に短縮」するだけでわずか6年半以内に3000億円の事業価値が創造出来ると思っているのなら、
であります。
今でも単独2万1千人、連結10万9千人の従業員がいますが、その中に製薬・創薬関係の研究者なんてほぼゼロでしょうに。
AIの提供などの提携はともかく、創薬企業・ベンチャーをM&Aするような資金力はもはやないでしょう。
6年半で研究→治験→承認→製造・販売、少なくとも(承認される模様)の段階まで辿り着かなければ、とてもじゃないですが1000億円単位の時価総額がつくような事業価値は生じないでしょう。
創薬がAIを導入した程度でどうにかなるものなら、欧米の創薬企業の株価はとっくに月まで届いてますって。
まあ、一寸先は闇ですから6年後にどうなってるかはわかりませんが、PC98シリーズの栄光を最後に右肩下がりのNECの経営陣がこんな雲を掴むような妄想(ゆめ)を騙りだすようではいよいよ終焉の時が近づいてきたなぁ…と思います。
2025年まで生き延びて確かめてみたいことがまた一つ増えた、と思うゆかぴょんなのであった。ちゃんちゃん。