オレンジが☆になってしまい悲しみに浸っていると、なんとクロのヒレも閉じ始めました。



 オレンジのようになって欲しくない。何としてもクロを助けたいという一心から、可能な限り情報収集に時間をかけました。この時、呼吸が早く力ない泳ぎで斜め上の方を見上げながらゆらゆらと流れにギリギリの力で逆らっているような状態でした。

 まず試したのは淡水浴です。店でpHを測る機械と、pHを調整するバッファー剤を購入し、水槽内のpHと淡水のpHを合わせクロを淡水に入れてみました。淡水に入れた途端クロがぐったりしてしまい、大丈夫ではなさそうだったので慌てて水槽に戻しました。淡水浴は海水と淡水の浸透圧の違いを利用して寄生虫などを魚から離れさせる方法ですが、比重が大きく違うこともあり魚にとって大きな負担となります。この治療法は怖くて断念しました。

 次に薬浴に挑戦しました。急遽隔離水槽を購入しここで治療することにしました。白点が発生する2日ほど前から調子が悪かった為、今回は幅広い細菌や白点病にも効くと言われているグリーンFゴールド顆粒を使用しました。



 効果を十分に発揮させるためには新たに海水を用意し、かつ比重は低めに設定すると良いみたいです。ですが、弱っているクロをそんなところに入れられるはずもなく、飼育水100%の所に規定量のグリーンFゴールド顆粒を投入しました。できれば毎日全換水すべきのところ、体力がどれだけ残っているかわからなかったので、毎日半量の水換えを行い、減った分の薬を追加し様子を見ました。2日ほどたった頃から白点が消失し少しづつですが回復しているように見えました。さらに、治療4日目からは餌も5粒ほどですが食べてくれて、閉じていたヒレも開き始めました。それ以降順調に回復してくれたので、薬浴は1週間で終了しメイン水槽へと戻してあげました。

 治療の間、大量の白点虫が水槽内にいると考えられたので2日1回のペースで半量の換水を行いました。白点虫は底砂にシストという卵のようなものを生む習性があるようなので、魚が水槽にいない内にわざと砂を刺激し白点虫が水中に漂っているであろうところを狙って換水も行いました。


 現在、白点病の再発はなくクロは元気にやってくれています。今思えばオレンジも早めに隔離して薬浴をしてあげていれば結果が違ったのかなと思います。今回の治療がうまくいったのはクロの頑張りと体力が残っていたおかげです。あと1日遅ければ助けられなかったかもしれません。

 みなさん口を揃えて言うことですが、魚の不調が回復するかどうかは不調を見つけた時の初動にかかっていると思います。日頃からお魚のことをじっくり観察し、異変にすぐに気づいてあげられる状況を作るのが大事だと思いました。

 お魚が元気に過ごせるよう頑張っていきたいです。