先日、知り合いの業者、ペルー出身のアルトゥーロおじさんから電話がかかってきた。
実はおじさんは、この1カ月ほど、奥さんとアジアをめぐる旅をしていた。
中国、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、そして日本と周ったそうだ。
日本には1週間ほど滞在するというので、私も色々情報を提供してあげた。
おじさんも奥さんもアメリカ生活が長いので英語は問題ない。日本でもけっこう英語通じるから大丈夫。東京、静岡(てか富士山)、京都、広島がメイン日程になって、「もし時間があったら」ということで岡山、山口なんかもどうかという話をした。そして、それぞれの場所で「ここには行ったほうがいいよ」という場所をピックアップしてあげた。
で、このたびおじさんがワシントンに帰ってきた。それで電話をかけてきたのだ。
おじさんによると、「何カ国も行ったけれど、キミの国が一番良かった!!!」
とベタ褒めだったのだ。
こちらが恥ずかしくなるくらい。
一体何がそんなによかったのかと聞いたら
自然が美しい
歴史ある建造物が美しい
そして何よりも、
日本人が素晴らしい
と言うのだ。
会う人会う人皆がとても親切でとても丁寧。「こんな国は初めてだ。信じられない。また行きたい」と。
そして、自分がペルー人だと言うと、日本人は誰もが「オー、フジモリー!!」と反応して、それだけで場がなごんでしまったそうだ。フジモリは日秘の共通語(笑)。→ペルーは漢字で「秘露」です。また、意外にもマチュピチュに行ったことのある日本人が多かったそうで、ペルー旅行話をしてくる人たちもいたとか。
おじさんは、日本ではよい思い出をたくさんつくったらしい。なによりです。
さて、そんな中、先月の話ですがこんなニュースがありましたね。
全日空が新ブランド 「もてなし」で年50億円成長
最初にこの記事を読んだときは、「そんなもん売りものになるんかいな」と思いました。
私がアメリカに住んでることもあると思うけど、「おもてなし」とか「カスタマーサービス」とかを、あそこまで要求するのは日本人くらいです。異常です。チップなしで、なんだもん。なんと言っても、そこがすごい。
世界標準から考えて、そういう、見えない部分に余分なお金を出そうという人たちがいるのか怪しいもんだ、と。
しかしその後、アルトゥーロおじさんの日本に対する賛辞の言葉を聞いていて、ちょっと意見が変わってきた。
この、日本の、異常に突出した国民的特徴をですね、活かそうと考えたANAはなかなかエライんじゃないか、って。値段で競争するより賢いもん。ま、問題は、ANAがそれで商売できるほどの需要があるか、つまり「もてなし」が良いからという理由でANAを世界の皆さんが選んでくれるかどうかってとこですが、個人的には成功してほしいですね。
ということで今DC-成田には777が飛んでいて、私はあれでもけっこう充分満足しているのですが(満足度のレベルが低い顧客なので)、どう「さらに快適」になるのか楽しみ。
日本もこのままどんどん「おもてなし」の心とやらを突き詰めていって、なにもかも、ありとあらゆる分野において、世界一訪問者を大事にする竜宮城のような国になったらよいのかもしれない。なんにおいても、一番は強い。