火火
¥4,536


2年も前からRAMに入ってました。

テレビでやっていて、あわてて録画したものの頭9分が切れてしまい

見る気が失せていたんですが。

最近、再放送があったので。ようやく見る機会が巡ってきました。


よく映画館で、途中から入ってくる人がいますが

アレ、私はだめなんです。

映画は、予告編の時間から「見るための心の準備」をして備えるんです。

で。ファーストシーンってとっても大切。

映画の動向の羅針盤ですからね。

っていうか。実は昔『火垂るの墓』を見に行った時。10分ほど遅れて入って

何が何か分からないまま、見たんですね。

だから、あの衝撃的なファーストシーンを知らずに進んでしまって

のちのち大きな後悔をしました。

くしくも、この映画も『火垂るの墓』と同じ構成でした。

(意味は両方見た人にだけわかりますよ)



さてさて映画です。

最初は働くオバサンのヒューマンドキュメンタリータッチの映画かと思ってました。

始まってびっくり。全然違います。

高橋伴明監督ですから、一筋縄ではいかないと思ってましたが。

まずは映像がキレイ。

昨今の映画(特に日本映画)はテレビをスクリーンに映しているだけで

『映画』の薫る作品て、とんとなくて。

色や温度やにおいを感じることは、ほぼなかったのですが。

赤がなんとも綺麗な作品です。


韓国のキム・ギドク。中国の張芸謀を思わせました。


タイトルは正しくは「ひび」って読むんですかね?

実在の女性陶芸家の実話らしいのですが、

そんなおばさんの仕事姿を追っただけの作品ではないんですね。

なんと実の息子さんが白血病になられ、当時はなかった骨髄バンク設立に奔走された

そんな両側をトントントーンと描いているんです。

つまり、これは闘病ものの映画なんです。

まったくもって意外。


だから、この象徴的な「赤」は母が仕事をする窯の火のであり

血液の病を負った息子の血のであるんですね。


主演の田中裕子は田中裕子でありながら、まったく風景になってましたし

脇を固める役者が素晴らしかった。

とくに石田えり。

それと、後半に出番がなくなってしまった池脇千鶴。

田中裕子の若い頃を見るようでした。

これがフィクションならば、池脇千鶴がこっそり妊娠出産して

窯をついで欲しかったです。

でも、そうはいかないんですよね。


こんなすばらしい作品が、名作として語られることもなく

骨髄バンクの啓発としても活用されていないことがとても残念です。

見たほうがいいですよ。