今日はレディースデー。
ずっと見たかった映画『おくりびと』が、ボチボチ空いてきているかなぁと思い
出かけた次第です。
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しかし、中に入ってみると高齢者を中心にほぼ席がうまっており
関心の高さを目の当たりにしました。
※堤真一出演『容疑者Xの献身』は次回レディースデーの予定です。
この映画は、夏の前に堤真一出演『山のあなた』を見に行ったときに予告編を見て
ずっと気になっていたのですが。
大それた賞を受賞したために、大入り満員になっていると考えられ
今に至りました。
さて、見てどうだっか。
はい。まずは、私のいつもの期待し過ぎで賞がちょびっとあって
普通の感想。
大判タオルハンカチを用意しましたが、使うことはありませんでした。
お話はと言うと。すでに各地で語られているとは思いますが。
※ネタバレ問題なし
所属するオーケストラが解散して、職を失ったチェロ奏者のモックンが郷里の山形に帰って
就職活動。
「旅のお手伝い」という求人広告で行った先が、納棺師のお仕事。
妻の広末涼子に言えず、ただ高給が魅力でやめるわけにもいかず。
しかし、師匠の山崎努の死者への敬意と。その送り方の美しさに心を打たれ
やがて、仕事に魅力を感じていきます。
でも、友人には蔑まれ。客の遺族にも蔑まれ。妻にもけがらわしいといわれる。
でも、僕って…。
こんな話です。
監督は滝田洋二郎。
ピンク映画のご出身なんですが。この監督が育った時代のピンク映画って名監督・名俳優を
数多く排出しておられ。
Hなシーン付名作映画をいっぱい作っておられます。
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ゆえあって、私も『桃色身体検査』を拝見し(よく覚えてないけど)なんかちょっと切ない可愛い
お話でした。個人的には『木村家の人々』が面白くて大好きです。
この監督、笑いが超お得意なんですよね。
今回の映画も、前半に笑い。後半に涙ということは知っていまして。
まぁ、それ前提で見ていたんですが。
途中、自分が恐ろしく怖い顔で見ている事に気づき、顔を修正しました。
物語は、納棺師の会社に舞い込んでくる数々の遺体の納棺作業と各家族のプチエピソード。
モックンの人生が、納棺の仕事とリンクする。
そんな連続なんですが。
象徴的に出てくるのが食事のシーン。
食べるって生きること。どんなに遺体を扱って帰って来ても食べなくては生きていけない。
だから、遺体を見送るのは日常なんだ。
だからこそ、敬意をこめて遺体を扱う。
そりゃもう、モックンと山崎努の遺体を納棺する作業は芸術的で美しく感動すら覚えます。
私自身、昨年おばを亡くし。各過程を経験しているわけですが。
地方・宗教によっていろいろあるんですかね?
うちのおばは、老人病院で死にましたので病院は慣れた作業で
体を拭き清め、穴という穴をふさぎ。開いてくる口を防止するために可愛いレースの装飾品を
つけてくれていました。
納棺作業は葬儀で司会もしてくれた葬儀社の担当者がやってくださいました。
うちの葬儀に納棺師は登場していません。
流れとしては、映画のように死装束に着替えるということはなく。
「死んだら着せてください」と病院に預けていた、死後着用の寝巻の上に
担当者が、脚絆・足袋などの死装束付属品をつけてくださり、あとの着物は遺体の上にかけ
納棺後、白い絹の布を白無垢のように美しく飾ってくださいました。
死化粧も病院で、看護婦さんがしてくださったそうです。
この工程を生で見た私は、なんと崇高な作業で。
ありがたいことをしてくださる。立派な担当者と思いましたが。
映画の登場人物たちはモックンの事を、蔑みます。
実は、映画の奥深くでひっそりと「ケガレ思想」への批判をしているんですね。
まぁ、田舎はあるかもしれません。
死者を扱う仕事なんか、レベルの低い人と見るんでしょう。
しかし、モックンの周囲の人はモックンの仕事ぶりを知り心を入れ替えていきます。
食べる→生きる→食べない→死ぬ。この流れ。
死んだ人がいる→それを扱う仕事をする人がいる→人が生まれる→その人が死ぬ。
すべては流れ。誰の日常ともつながっている。
なんかそんな事を言わんとしていた気がします。
だから、ただ物語に登場する死者に感情移入して涙を流すって事はできなくて。
一つ一つかみしめて
怖い顔になって見ていた私です。
滝田監督にしては。やや浅かった感がありますが。
こんな仕事があるって知ることができただけでも良いと思います。
目の前に来る死は決して恐ろしいものではない。流れとして受け止める。
心に染みるんではないでしょうか。
まぁ。最近お葬式を出した人。出しそうな人は泣かずにはいれないかもしれませんね。