イプセンの原作。ご存じの方も多いと思います。
主演のノラ役は宮沢りえちゃんでした。
どんな話かというと。
翻訳ものが大嫌いな私は、この原作も数十年前に手に取ってみたものの
どうにも文体が体に入ってこなくて、2ページほどで断念していました。
本当に薄い本なんです。
でもだめ。
ヘミングウェイの『老人と海』も薄いのに、読むのに15年ぐらいかかりました。
で、『人形の家』は、私の2ページ読んだ解釈では
突然離婚言い出して、家を出ようとする妻。
それをとりまく人間模様…なんでしょうか。
だから、りえちゃんと堤真一たんは夫婦で、別れようとしているという部分のみ
理解して観劇いたしました。
演出はデビッド・ルヴォー。
堤真一とは、tptという実験演劇といいますか、小さな劇場で上質の芝居をお届けする
ベニサンピットという劇場で長くコンビを組んでいました。
私としてはベニサン時代の堤真一は、ビデオでしか見た事がないので
どうな風に成長しているのか、44歳の渋みが加味されているのか
興味深く見ました。
渋谷・文化村のシアターコクーンを円形劇場風にしたて
いつもとは全く違う趣きにしつらえたステージ。
最初の登場から美しい宮沢りえ。
ヨーロッパのお金持ちの婦人。そのたたずまい。ふむふむ、なるほどです。
翻訳劇の嫌い要素の一つ「ノラ」なんて役名も、彼女の顔なら受け入れられます。
たぶんですが。原作とはずいぶん違う構成。
ノラの幸せから物語を紡いでいく感じ。堤たんは、銀行頭取になることが決まった弁護士。
インテリの風情が、ふんわりたれた前髪から醸し出していますよ。
そいでもって、世間体を気にする夫。自分の父を蔑んでいた夫の内面に触れ
夫婦としてやっていけなくなった妻。簡単に、夫と3人の子供を捨てて出て行こうとします。
…ノラがそもそも、私感覚で好きな女ではない。不快感…。
でもまぁ、眠くさせない重厚感で、さすがの出来上がりでしたが
最悪な出来事がありました。
隣に座っていたバカップルの電話が鳴ったんです。
まずは私のすぐ隣の女のバイブがんー、んー
まっ。でませんわな。普通。当然無視で、鳴り続けます。
次に、その隣の男の電話がんー、んー
しばらく鳴らしたのち、男は席を立ちました。
ここで、男は私の前を通るため私は芝居を中断されて男の通過を幇助します。
邪魔だよね~![]()
私はムカムカするのを我慢して、集中を取り戻しました。
するとすると、信じられないことが起こりました。
男が戻ってきました。
最近は映画館でも途中入場を断ります。
戻るとしても、幕間の休憩まで脇に立っていたりしません?
ちなみにこの舞台1時間ごとに10分休憩のある舞台で、この時点で
1幕の真ん中あたりです。
係のやつも、止めんかったんかいっ![]()
そして男は席に戻り、何もなかったように観劇。
すると、なんということでしょう(by加藤みどり)
またまた男の電話がんー、んー
さっき外に出た時、電源を切らなかったの?![]()
そして、何が起こったか…
私はわが耳を疑いました。
男は席に着いたまま、電話に出たんです。![]()
1994年5月の香港の映画館以来です。
日本でこんな事がおこるなんて。
私のはらわたは煮えくり返り、物語はもはや脳を通過していきます。
男は、前の座席の男性に怒られ、また席を立ちます。
つまり、私の前を通過します。
3回目です。
私は言いました。
「2度と帰ってこないでください」
血圧の上がった状態で観劇したことありますか。
最悪の舞台でした。
9000円、あのバカップルに請求したいです。