『福耳』で検索しても、映画がなかなかひっかかって来ません。
それだけ、陰に隠れた作品なんでしょうか?
- 主演 宮藤官九郎 田中邦衛
とりまくキャストも司葉子、宝田明、坂上二郎、谷啓など。そうそうたるメンバーです。
って…でも。平均年齢が高い?
はい。そうですね。これは個人居住型老人ホームを舞台にした映画なんです。
物語は…(ネタバレ問題なし)
フリーターの宮藤官九郎くん。レストランのアルバイトとして浅草のとある老人施設に就職します。
最初に出会った人・田中邦衛さんに入り口を教えてもらって中に入っていきます。
そこは濃いキャラのそろった老人達の社交場でした。
直後、入所者に訃報が届きます。
昨晩、病院に運ばれた人が亡くなったと。
そして、職員の高野志穂ちゃん(NHK朝ドラの女の子)に付き添われて帰ってきた亡骸の顔は…
田中邦衛さんでした。
官九郎くんの出会った邦衛さんは幽霊だったの!?
多少のドタバタがあって。自室に戻った官九郎くん。鏡に映る顔は邦衛さん。
なんと邦衛さんは官九郎くんの身体にとりついたのでした。
その理由は。
「この世に未練があるから…」
未練とは…
ホームのアイドル司葉子さん。実は谷啓さんも坂上二郎さんの恋のライバル。
自分が死んだ後の彼女の貞操が心配。
それを官九郎くんに守って欲しいというのです。
迷惑する官九郎くんではありましたが。交換条件を提示され揺らぎます。
実は官九郎くんは、志穂ちゃんを以前から知っていて。彼女あいたさに
ここに就職して来ました。でも彼女はそれを気味悪がって。
官九郎くんを受け入れてくれません。
そんな官九郎くんへの拒絶反応を取り除いてやると邦衛さんは言うのです。
邦衛さんはホームのことを熟知しているし。
言うとおりにすると官九郎くんの評判も上昇…。
やむを得ず、条件を飲むのです。
とは言え、周囲から見ると官九郎くんは司さんと志穂ちゃんの二股。
でも官九郎くんの中には、二人の男が棲んでいる。
物語の楽しさは邦衛さんになった時の官九郎くんだったり。
二人のやり取りだったり。
同じ服を着て、寸分たがわぬ動きをしているのは笑えます。
でも周囲には一人しか見えないので、官九郎くんはかなりヘンな人。
いろいろしているうちに志穂ちゃんの誤解もとけ、物語は良い方向に…てな感じ。
私はね。見ていて思ったんですが。この監督さん、絶対『男はつらいよ』のファンです。
カメラ割りなどの映像表現が、山田洋次の世界で
すごく見やすくて。ほのぼのしていて。見る人を不快にさせず。
ちょっぴりセンチメンタル。
最近は、「通だろっ!」というオーラ満開で、見る人を不快にさせ評価を得ている
演劇や映画が多いですが。
この作品は昭和です。
哀しい事辛い事があったアナタを、優しい気持ちにしてくれそうです。
事実、私も温まりました。
意外な掘り出し物でしたよ。
