旧ブログ 06年4月26日の転載記事です。
2004年韓国作品。監督キム・ギドク
韓国のヌーベルバーグといったところでしょうか?
この監督作品を見るのは二回目。前作は『春夏秋冬そして春』(前に書いてます)でした。
あんまり愉快な感想ではないです。
私は香港映画の爽快感が好きですし。
だいたい、韓国映画は内容に感動してもラストで「イヤ~な気持ち」になることが多い。
イ・ヨンエの『JSR』だっけ?タイトル覚えられん。あれもだし。
『シルミド』も重くなったなぁ。
『猟奇的な彼女』以外、すべて嫌な気持ちになる!ってデータが私にはあります(主観!)
この『サマリア』という作品。
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ネタバレ注意
- ハピネット・ピクチャーズ
- サマリア
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何の目的か…。多分、海外旅行費用をためるべく売春している高校生。
一人が相手を見つけて、お客を呼び出しベッドのお供は相棒。
2人で一人前な女の子。
売春担当の子に悪びれたところはなく、聖母マリアが信者を暖かく抱くように身体を開く。
呼出担当は、男女の営みに嫌悪感を抱いている風もあり。処女。
売春担当の女の子に、レズっぽい感情も持っているのかな…?
そんな売春担当の女の子が、警察の手入れを逃れる為にホテルの窓から飛び降りる。
それは自殺だったのか。ゲームの終焉だったのか?
残った呼出担当は罪の意識にさいなまれる。
手元に残ってしまった顧客リストの載った手帳と、今までの売り上げ。
1度は焼き捨てようとするが、ひとつの決心をする。
リストの客を呼び出し、売春してはお金を返していく。
「寝てくれてありがとう」と。
そんな場面を、たまたま目にしてしまった呼出担当少女の父。
父は警察官で、妻を亡くしてから男でひとつで大切に娘を育てている。
娘に問いただすこともできず、父は売春相手に行為の阻止を求めに行く。
一人目。
娘の後をつけ、ホテルの前にたどり着く。入ろうとした男に酒を飲もうと誘う。
先を急ぐ男に、娘から催促の電話。父は飲んでいた酒瓶を静かに割り
「このまま来た道を帰れ」と言う。
男から取り上げた電話が再び鳴り、娘の声。
「どうしたの~!早く来てよぉ」
嗚咽する父。
二人目。
相手の男の自宅マンション下で待ち伏せる。追いかけて男の自宅に入る。
家では家族全員で食卓を囲んでいる。
罵声を浴びせ、男を殴る父。何も言わず殴られる男。
父が去った後、男はマンションから飛び降りる。
三人目。
カーセックスを目撃する父。行為を終えて公衆トイレに入る男。
父は後を追いかけ、持っていた手錠で男を殴打する。血に染まる男。
死んだフリをして、父に報復する男。血だるまになった二人がトイレのタイルを染める。
男から逃れた父は、花壇のレンガをはがし男を激しく殴打。男は絶命する。
トイレから戻らない男。呼出担当少女がトイレに行くと死体を見つけ通報している人。
そこにすでに父の姿はない。
父の3つのエピソードの間も、少女は家で良い娘を演じている。
父は苦しむ。
何かを決心した父は、亡くなった母親の墓参りに娘を連れ出す。
緩やかな親子の時間。娘は売春している時とは違う、自分だけの純真な娘。
娘に車の運転を教えてやる父。運転に夢中になっている娘の横で同僚に電話する父。
やがて、警察車両が父を迎えに来る。
運転に夢中な娘。
気づいて父を追いかけるが、未熟な運転では追いつけない…。
なんなんだろ?不愉快。重たい。でも、衝撃。なんか苦しい。
人間を描くという意味では、すごいです。
そして、この監督の映画。風景が美しい。
学歴絶対の韓国で、この監督は小学校を出て社会に出た苦労人。
作品から「神」の存在を感じずにはいられない何かは、監督が神学校出身だからでしょうか?
見るのに多少、エネルギーが必要ですが。お腹いっぱいにはなります。★★★☆☆
※ベルリン映画祭監督賞受賞作