とりあえず荷物をホテルに預け(駅にはコインロッカーも豊富なので、こちらでも十分対応可能かと)駅前にある観光案内所へ。

時計は10時。
3連休の初日とあって、思ったより多くの人でにぎわっています。

いくつかある目的地の中で、一番厄介そうなところがちょうどいいタイミングでバスに乗れそうだったので、先ずはそこから行くことにしました。

どちらかというと、お城＜藩校な私(笑)。

可能な限り、城下町へ行くときは藩校や教場跡を見に行きます。

かつてはお城からほど近いところにあった、会津藩上級藩士の子弟が通った藩校：日新館。

国内屈指の優秀校だったそうです。

残念ながら、会津戦争(戊辰戦争)の戦火により現存はしていません。
今あるここは、昭和62年に再建されたものです。

広さは東京ドーム6個分って言ってたかな。

日新館の大きな特徴は多彩な科目。

文武両道、加えて藩祖(ここでは家康の孫で家光の異母弟にあたる保科正之)の考えにより神道や雅楽が選択科目として学ばれていたそうです(徐々に廃れてしまったみたいですが)。

自然科学の分野でも特徴を見せていた日新館。
当時の藩校の遺構で唯一現存してるのが天文台跡、そして、そこで作ってたのが会津暦。

また、大河ドラマ『八重の桜』でも広く知られた通り、砲術の授業もありました。

これは日本初のプールと言われてる、水連水馬池。

乗馬の練習は木馬でやってたみたい。

10歳で入学して、最初は基礎的なことを習うのでしょうけど、今の子供たちよりはるかに賢かっただろうなぁ～(人間的にという意味で)。

もう一つの特徴は、藩校としては珍しく民間出資(寄付金)の施設であること。

御用商人の寄付で校舎が建てられたそうですが、見ての通りとっても広い！

二階建てになってて、一つ一つの部屋はさほど大きくないので、少人数制ってところですかね(笑)。
たくさんの生徒を賄うには、授業のやりくりは大変だったろうなぁ～。

藩校の真ん中には孔子廟。

儒学が基本のところには当たり前のようにあるものですが、こうも立派な廟は昌平坂学問所でしか見たことない！

しかし、石畳の廊下から直接畳の部屋というのは…冬はとっても寒かったことでしょうね。

武講とあるけど、板張りの道場ではなく畳の部屋ばかり。
武道館というより、畳の上で兵術戦術など学問的なことを学ぶ場所だったようです。
柔道くらいは畳でできたでしょうけど…。

復元された建物には、たくさんの少年たちがおりました。

そうです。
白虎隊の少年たちです。

一人一人、どんな境遇だったか、性格はこんなだったとか、隊での役割とか、最期の様子とか…、わたし、人が来なけりゃ声出して泣いてただろうな(・_・;)

嗚咽に近い状態。
他にも見学者がいたから、涙流すだけで何とか堪えたけど(←これでも堪えた方なんです)。

はぁー。
考えただけで涙出ますね～。

きっと、夢や希望に溢れた学び舎での日々を過ごしていただろうに…。

お殿様も、時折来校して子供たちの成長に目を細めていたのでしょうね。

日新館はちゃんと上座が一段高くなってる。
(確か、うちの藩校(水戸の弘道館)は上中下に部屋は分かれてるけど段上がりにはなってなかったような…)

そういえば、お庭もちょっとした枯山水で立派なものでした。

水戸はそもそも財政難だったこともあるけど、本当に質素というか地味というか…飾り気なしだな(笑)。

当時はお城の西側にあった日新館ですが、今はお城から北へ約8キロほど離れています。

なので、当然ですがお城は全く見えません！

かわりに、広大な会津盆地を見渡すことができます。

ここが戦火に見舞われたとは…。

そして、あの3.11東日本大震災。

江戸(関東)と蝦夷(東北)を結ぶ要所として栄えた会津。

時代が明治になってから、この日新館で学んだ若者たちは各方面で活躍します。
特に、教育の世界にたくさんの要人を輩出しました。

ここ日新館の教えと会津の風土が育てた人たちです。

とかく新政府軍ばかりもちあげられるけど、ちゃんと両面を見ないと見えなものっていっぱいあると思う。

バスの本数の関係で1時間半ほどの見学で帰ってきちゃったけど、やはり当時の子供たちと同じくらいの年齢の学生さんたちに見学してもらいたいですね。

そして、ちゃんと向き合って考えてほしい。

そんな日新館でした。

会津藩藩校：日新館