本願寺から歩いて15分ほどでしょうか。

次に向かったのはかつての花街・島原。

京都には、今も祇園甲部・祇園東・先斗町・上七軒・宮川町と5つの花街がありますが、以前は島原もこの一つでした。

ちょっと京都の街からは離れてるし、当時の島原周辺は田んぼが多かったそうです。

壬生に屯所を構えた新撰組にとって、島原は最も身近な遊び場でした。

島原の入り口はこの大門。

江戸の遊郭と違い島原の花街はわりと出入りが自由で、歌舞音曲を中心にしたおもてなしをする場所だったこともあり、お客さまには女性客も多かったそうです。

島原の特別公開は、何年か前に訪れたことがあります。

その時は、輪違屋さんにも入れたのですが…今回はナシ。
相変わらず、“謝絶”の札がキリっとしてますわ。

というわけで、冬の特別公開で訪れたのは角屋さん。

http://sumiyaho.sakura.ne.jp/index.html

島原に残る揚屋です。

揚屋とは、お座敷を提供しておもてなしをする場所で、
日のあるうちは庭の茶室で茶を嗜み、歌を詠んだりして日を過ごし、夜は置き屋から芸姑衆を呼んで宴会をするというのが流れだったそうな。

宿泊施設ではないので宴会のきっちりお帰り頂くってのも揚屋の基本ルールだったみたい。

日はまたいでもちゃんと帰るんだよね。
そんな別れの場所があの大門。

この大門の反対側、市場側にも小ぶりの門があったそうです。
車が突っ込んで大破しちゃって、それから建て直されてないんですって(^_^;)

さてさて角屋さん。

初めての両親には、ガイドさんの話の合間に小ネタを挟みながらお部屋とお庭を拝見。

織部焼の珍しい滑車の残る井戸、

茶室が三つもある大きなお庭、

新撰組の隊士も通った玄関、

番頭さんが仕切った勝手口、

今から150年ほど昔、
この揚屋で様々な人々が行き交い、互いに己の思想を貫き、日本の行く末を危ぶんだのでしょう。

彼らが見ていた日本の未来図と、現在の姿。

どれくらい重なって、どれくらい違っているのかな。

京 島原

京　島原