ベートーヴェンハウス | クロイタンスEMのブログ

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子供たちはハイリゲンシュタットの学校に通っていた。

そのあたりはベートーヴェンゆかりの地だ。

学校の前の道を上って行くと
エロイカガッセ (Eroicagasse = 「英雄」通り) にぶつかった。
左に折れて少し歩くとプファール広場 (Pfarrplatz) に出る。
そこにベートーヴェンハウス「マイヤー」があった。
彼が一時期住んでいた家で、今は有名なホイリゲだ。


右手の小さな門をくぐった。
その瞬間、ハッと息を呑んだ。
そこはベートーヴェンの時代で

時間が止まっいるかのようだった。
石畳の道はでこぼこで波打っている。
両側の背の低い家屋のラインも
ゆらゆらと傾いていた。
何とも形容し難いのだが
「その空間」は空気が違っていた。
ウィーン滞在中にこんな感覚を味わったのは
このときだけだったように思う。
ベートーヴェンをこよなく愛する僕に許された
「幻想」のなせる業なのか?
しばし

ウィーンを訪れた喜びを噛みしめた。


ちなみに
有楽町の電気ビルの地下に「ホイリゲ」があった。
たしかマイヤーのワインか写真があった。
ドイツ語を話すフロイラインがいて
ちょっとしたお喋りを楽しんだ。
この店、今はもう無い。


マイヤーの正面の道を少し行くと
ベートーヴェンがあの有名な「遺書」を書いた家がある。
こちらのベートーヴェンハウスには

彼の遺品が展示物されている。

緩やかな時の流れに身を任せて
一つひとつゆっくり見ていると

のどかなハイリゲンシュタットの田園地帯に

教会の鐘の音が響きわたった。
僕は

彼と時を共有しているかのような至福の時間に
ただ感謝した。