私がパニックになろうがどうしようがその東洋系の従業員は徐々に私たちに迫って来ている。

その従業員が中尾あきらバリのネジネジマフラーをしていたので、「あきらが来た来た。」と勝手にあだ名をつけていたのだが、私たちの前のグループに「ビザは持ってますか?」と、流暢な日本語で聞いていたので彼女は日本人だったのかと私たちは恐縮した。
大丈夫、まさか中尾あきらの事を言ってるとは思っていまい。

「ねえ、ビザがいるの?」

と、隣で彼女が聞いて来た。はて?観光ビザってあったっけ?と、私は思った。確か今までの海外旅行で観光ビザの申請などした事はなかったはずだ。
なのにこういう場合、「もしかして最近条件が変更になって観光ビザの申請が必要になったのでは・・・。」と余計な心配をしてしまう。ここが異国だからだろうか、どうしても気弱になってしまうところが小心者精神発揮である。

結局パスポートと出入国カードと税関申告書を見せると納得して次に行ってしまった。なんだか、ほっ。

そしていよいよ入国審査。ここでまたまた日本の時代が来た!!と思う瞬間が訪れた。

「ミギ、ヒダリ。」

と、聞き覚えがある言語が聞こえて来たのだ。しかも入国審査官から。

なななんと入国審査官が日本語で審査していたのだった。
数年前なら信じられない光景だよ。日本語がこんなにも浸透しているとは。それとも従業員は規定のセリフを何カ国語か覚えているのだろうか。

ふと審査されている搭乗客を見ると、二人並んで審査を受けている。

「ねえ、一緒に審査できるのかな?」

またも隣で彼女がつぶやく。今までどうだったろう?いつも一人で審査を受けていたように思える。ならばあの二人で審査を受けている人達はなんなんだ?夫婦だからだろうか?血縁関係があるものだけがグループで受けられるのだろうか?

またも私の頭は小パニックに落ちいていた。

お呼びがかかり、結局一緒に審査官の元へ進む事にした。

審査官の前まで二人で行くと、まずは私から入国審査が始まった。最初は英語で話していたが、次第に彼はカタコトの日本語で話してくれた。

何事もなく進んで、次はオリビアといった所でその審査官は突っ立ってた私を手で払った。まるで「シッシッ」とでもいった様に。やはり家族でもない限り、二人揃っての入国審査など出来ないのであろう。
オリビアが心配だったが、とりあえず先に進む事にした。

そして待っている間、乗り継ぎの為、ベルトコンベアに流れる自分のスーツケースを取り出すと「なんじゃこりゃあ!!」と、ある異変に驚愕した。

$気ままなアミーガスinラスベガス-審査官