いよいよアメリカ到着か!と私は入国審査の前で実感していた。

ここは乗り継ぎのロサンゼルス空港。私たちはこれから入国審査を受ける人々の列の中にいた。
これが初めての入国審査じゃないとはいえ、久しぶりの英会話。私は少しばかり緊張していた。

そしてその緊張と共に、体の疲れも感じる事ができる。
隣にいる20代前半の彼女との体調の差は歴然だろう。約9時間の長旅だったのだから、しょうがないといえばそうなのだが、理由は他にもあった。

DSをやりすぎたのだ。

賢明なオリビアは結局DSをやらず、眠りについたらしい。
私はゲームがいい感じに進んで夢中でやっていたため、その時間、4時間ほど費やした。

しかしもう若くない。

体が疲れてきたのでそろそろ眠ろうかと、続きが気になりながらもDSをしまい、眠りにつこうとするが目がギンギンに冴えてしまったので眠れなかった。
そこで、どうせ起きてるのならと老体に鞭打ってまたDSを取り出したのが悲劇の幕開けだった。
結局徹夜でゲームをして、ここロサンゼルスで目の下にクマを作るハメになったのだった。

アラサーが無理をしてはいけなかった。

遊びとはいえ、体調管理も生きて行く上で重要な事だ。と、この時私は思い知った。思い知った時にはもう遅かったのだが。
今、この時撮った写真を改めて見てみるとどうだろう、笑顔で撮ったはずなのにまぶたは下がり、目がウツロだ。顔などはぷくぷくにムクんでおり、力士入門の仕上がりで収まっている。
女というものは、女というものはいついかなる時でも気を抜いてはいけないものなのだ。これからはこんな事は無い様に気をつけたい次第である。

話を戻して、
まだラスベガスへのフライトが控えている。ここでへたばっている場合ではないのだ。

「ねえねえ、あれ何してるのかな??」

彼女の声に、しばらく抜けていた私の魂が戻って来た。
ハッとして彼女の指差す方向を見る。そこには東洋系の従業員が列に並んでいる搭乗客に何か確認しているのだ。
何やらパスポートを確認している。

ここで私たちは慌てた。

海外旅行をしているとよくある心理状況なのだが、ちょっと不可解な状況を目にすると、

「自分は大丈夫だろうか!?」

と、ちょっとしたパニック状態になってしまう。
何か手続きに不手際があったのだろうか?もし入国できなかったらせっかくの旅行が台無しになってしまう。
 
せっかくの旅行が、だ。

これがどういう意味かわかるだろうか?
金持ちがちょっと暇を見つけて旅行へ行くといったものでも無ければ、
有休に対して寛大な会社が安い時期に1週間休みをくれたといったものでも無い。

なかなかまとまった休みを取れない私たちが懐も寒いのに年末のバカ高い時期に旅行へ行く決心をし、更に実際旅行会社に予約に行ったら帰りの便の飛行機が取れず、会社出勤初日にどうしても休まなければ帰れないプランしかないから意を決して休みを下さいと言ったら意外に取れて、「言ってみるもんだー!!」と大喜びしたという過程を経ての旅行なのだ。

いい旅行にしたい。

それだけが切実な思いだった。

$気ままなアミーガスinラスベガス-魂が・・・