「さっきの柔道選手の役の人…ちょっと似てません?」
「…?」
「なんとなく…ギョンスさんに似てるなぁって思って(笑)」
「あ〜…。たまに言われます」
「やっぱり?」

あの後、二人きりになれる場所を求めて深夜の新宿を彷徨った私たち。

正直、週末の歓楽街を舐めてた。
どこもかしこも満室で、何度目かの満マークを目にした瞬間、ふと冷静な自分になってしまって。

「映画の話でもしながら、飲み直します?(笑)」
そんなわたしの提案に

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「そうですね(笑)」
クシャっと顔を崩して笑ったギョンスさん。

何をそんなに必死になってたんだろう?私たち。

二人でケラケラ笑いながら、夜の街を歩く。


当たり前に繋がれた手。
指先から伝わる体温。
心地よい身長差。 
低くて落ち着く話し声。

誰にも邪魔されない二人だけの時間。


ギョンスさんとなら
なんて事のない移動すら、こんなにスペシャルなお散歩になるんだって事…。

初めて知った気がする。

結局、そのまま新大久保まで戻ってきてしまった私たち。

わたしの中の緊張は消え去り、今はこうして、一緒にいられる楽しさのほうが勝っている。



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「韓国で大ヒットした作品だったから、絶対に映画館で観たかったんです」
「うんうん!すっごい面白いかったです!!!」
「エリさんなら、絶対に楽しんでくれるだろうと思いました」


映画の話題に花が咲き。
盛り上がる私たちは、お酒もどんどん進む。

さっきまで寡黙だったギョンスさんが、映画の話になると、熱弁している姿がとても愛おしい。


映画の途中から、ずっと手をつないでたから。
なんだか、ギョンスさんと一緒にこうしているのが当たり前に思えてきて。

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ジッと顔を見つめられると。
深夜の魔法にかかってしまったからなのか。
私たち、もしかして恋人なのかも?なんて錯覚にも陥ったりして。




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「僕…ほんっとに…すきだな…うん…映画が…好きだ…」

突然、眠気と酔いが回ってしまったのか、、、
うつらうつらと船を漕ぎ出す様子がすごく可笑しくて。


心がくすぐったくて…。。。 
ふわふわずっと夢を見てるみたいで。。。

あぁ…わたし。
この人が…大好きなんだ…って。

ずっとそばにいたい…。
もう離れたくない…。。。

出逢って数時間しか経たないくせに。
そんな気持ちを抱くようになっていたわたしは。

お酒の力を借りて勝負に出た。

「ギョンスさん…よかったら…今から…うちに来ませんか?」
「えっ…」
「タクシーなら、近いから」
「…」

…ヤバい。なんかすごい険しい顔してる。。。
やっぱ、やり過ぎた?
エリのバカ!!!一人暮らしの女の部屋に簡単に男を連れ込むような軽い女に思われたじゃない!!!バカバカバカ(涙)

「いや、あの…なんか…その…ギョンスさん疲れてるみたいだし…(笑)ちゃんと寝たほうがいいかなって…思っ」

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「それなら、僕の部屋にしましょう」

…え?
あの…それって…

ボソりと呟いて、サッと席を立ち上がり会計を済ませるギョンスさん。

慌ててついていくわたし。


すぐそばで運良くタクシーが捕まり、
ギョンスさんは、わたしを先に押し込むようにして後部座席に乗り込み、運転手に行き先を告げる。

迷いの吹っ切れた様子のギョンスさんは
完全に肉食系男子だった。



タクシーの中、無言のまま、執拗なまでに指を絡ませてくるギョンスさん。

【あなたが欲しい】

言葉にしなくても
強く擦り付けてくる指の動きが、、、
熱が、、、
わたしのカラダにダイレクトに伝わって。

その熱に呼応するように
奥の方から疼き出した甘い熱に
ゆっくりと確実に支配されるのを感じる。

たまに、チラりとこちらを見るギョンスさんの瞳。


…わたしも あなたが欲しい。



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瞳と瞳が合わさった時。

ゆっくりと唇を塞がれて。
後部座席で、そのままキスをした。。。


口の中に残るほろ苦いアルコールの味と
首元から香るオトコの匂い。。。

もう…何も考えられない…。

…どうなっても…いいや……。。。











マンション前でタクシーを降りると、白んだ空にカラスの鳴き声がした。

ギョンスさんに手を引かれるようにしてエントランスをすり抜け
オートロックを越えたすぐそこに、エレベーターが待機していて。
それに乗り込むと、すぐ。

我慢できないと言わんばかりに、ギョンスさんの唇が降ってくる。

上昇し始めてグンと下に重力がかかると同時に、
より一層深く、唇を押し当てられて。

頭がクラクラして
カラダの奥がジンジンして
ココロがとろとろになってきて

目の前のオトコが
欲しくて欲しくて…たまらなくなる。




あっという間に扉が開き、早歩きで手を引かれ。

一番奥の部屋の前で立ち止まり、
鍵を開けるギョンスさんの後ろ姿をジッと見守る。


扉を開けると同時に、強引に手首を掴まれ中に引き込まれて。




ギューーーっっっ…

玄関で強く抱きしめられて…

まだ靴も脱いでいないのに

「もう…待てないです」

そのまま壁に押し付けられて、わたしを求めはじめる目の前のオトコ。


ホント…肉食系なんだね…


抗うことなく
わたしを貪るようなその動きに身を委ねて…

「…いいですか」

耳もとで落とされた事前の同意に
わたしはキスで応える。


全てはきっとアルコールの力。


「あぁ……っ…!!!」

秘 部に触れられ、思わず漏れてしまう吐息を唇で塞がれる。

深く甘くとろけるキスの洗礼を受けて、脚の力が抜けてガクガクと震え出す。

もう…立って…られない…

そのまま腰が落ちそうになって、唇から離れたわたしを、また、ぐいっと強引に引き上げて、

片腕で腰をガッチリホールドしながら

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「声が外に聞こえます…我慢してください」

…ゾクっ

日本語とは異なるイントネーションでそう囁きながら
すでに暴れ出しているソレをあてがわれ、わたしは思わず身慄いした。


ヤバっ…
…どうしよう…
こんなところで
こんな事をしておいて…

声を出すなとか…
命令するなんて

ドギョンス…ってめっちゃドS…

そう思った瞬間に一気に中に押し込まれて。

「んんん……!!!」

声にならない声が出そうになった唇を、またキスで塞がれる。



すごい…
大きくて…いっぱいで…苦しい…

「…痛くないですか」

「ん…っ…だい…じょぶっ…」

わたしが答えると、ぐんと深いスイングが始まり
子 宮にあたる衝撃を与えられる。

「はんっ!やっ…やっぱダメ…っ…壊れちゃう!!!」

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「僕につかまって…」

今日初めて出逢ったオトコを受け入れて
夢中でしがみつく。

重なり合う肌の感触と。
子宮の奥で感じるカタチ。
手のひらから感じる背中の肉厚感。
服の下で隠されていた肩幅。


くぐもった喘 ぎ声と、カラダを打ち付ける音が周囲に小さく響いて
扉を挟んだすぐそこに聞こえていやしないか。

そう思ったら、余計に興奮を覚えて。

自分の変態趣味を初めて自覚させられる。

痛みがゆっくりと快 感に変わり
快 楽の大きな波が何度も打ち寄せて…

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「ずっと…こうしていたい」


ド・ギョンスと言うオトコに。
耳元で囁かれながら
わたしはあっという間に天国へ連れて行かれた。








「まだ…寝させません」
いまだ天国をふわふわ漂うわたしのカラダに
ギョンスさんが覆い被さり、絡みつく。

その若い力に驚きながら
わたしのカラダも素直に受け入れ準備を整える。

この人は…本当に今日出逢ったばかりのギョンスさんなのかな…

そんな疑問が湧くくらい

遠慮なく何度もわたしを抱くオトコ。


カーテンの隙間から朝日が差し込む室内に
カラダを重ねるいやらしい音と吐息が響き渡る。


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「エリさんの全部…僕に見せてください」

私たちは
時が経つのも忘れ
場所を変え
体 位を変え

髪を振り乱しながら
気が済むまで
余すところなくお互いを味わい尽くそうと
夢中に相手を貪った。

右耳から脳にダイレクトに伝わる低く擦れた吐息。

深く息を吐き出すときの熱。

わたしと繋がったギョンスさんの発する何もかもに
わたしのカラダとココロは素直に呼応し、
理性という鎧はいとも簡単に引き剥がされてゆく。

朝日の中で抱き合う事も
他人に自分をこんなにさらけ出す事も
何もかもが初めてで。

羞恥心を越えた先にある景色を見せてくれたギョンスさんに全てを捧げたくて。。。

わたしの全部を見せたくて…

頭の天辺から…足の小指の先まで
わたしの全てをギョンスさんに味わって欲しくて…

わたしは、ギョンスさんに言われるがままのカッコで
言われるがままのタイミングで

ギョンスさんの全てを受け入れる。


だから…
ギョンスさんも…わたしだけに全部見せてね?
全部教えてね?

お願い…わたしだけのものになって???



一度芽生えた独占欲はもう、歯止めがかからない。


そんなわたしを知ってか知らずか

「エリさんは…僕だけのものだ…」

わたしの頭上で果てながら、先に言葉にした憎いオトコ。

私たちは、なるべくしてなったんだ…。

そう、確信に変わる。


わたし…もうギョンスさんから…離れない… 
離れられないよ…


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最後は
汗なのか…愛 蜜なのかわならないほどの
ベタベタドロドロのカラダのまま。

ひと時も離れたくなくて
抱き合ったまま気絶同然で意識を飛ばした。













続く。