サリュ! ニュイです!

所属していた研究室を思い出すと、あれが人生の転機になったかもしれない。

僕のチームは昼休みや夕食会などあまり数理の話しはしなかった。

ペンを取り出すと数式の話しばかりで昼休みぐらい人と顔見て話したい。

教授がNLPのトラコアやスピリチュアルな世界が好きなものだから、僕たちはその不思議な世界の話しを興味深く聴かせてもらった。

そこで教授が
「人の信念体系が完全に入れ替わるには4年かかる」
と話していた。

新しい思考パターンが大脳に根付くのが21日、
さらに毎度観念を入れ替えても、全身の細胞から自己概念を総入れ替えされた自分になるには
年単位かかるというのだ。


さらに自分のDNAが癒されると親族も癒され、果ては動植物までも美しく生き生きするらしい。

純粋に興味を持った。

両親に感謝を返したい。

普段からありがとうを伝えるだけではなく、これはこの人生を終えた先まで有効だそうだから、両親が亡くなったあとも両親が困らないように僕の光で守ってあげたかったんだ。

自分のことはどうとでも普段から受け止めていて
自分のことを見直す必要は感じなかったが、愛する人が幸せになるならやってみたい。


4年後まったく違う世界観に立ったとき、自分は何をみているんだろう。

好奇心が掻き立てられる。
やってみようかな。

そう話すと、教授は
「いいかニュイ、おままごとはするなよ。

何十年もかけて作られた信念体系は本来その年数と等しい時間をかけて再構築するものだ、一瞬で良くなると言われているが深い観念はあらゆる角度から何度見直しをしてもいい。
また潜在意識は安全領域に戻りたがることもあるだろう、その症状が出ることもある。そこを超えろ。

「悲劇のヒロインの塔を徹底的にぶっ壊せ。」

この塔を崩してから新しい観念で生きるんだ。

それから「許し」を忘れるな。
これをしないとまるで欠点探しのように自分を責めて、いつの間にか内観のやり方がずれて疲れてしまうだろう。
内観は愛だ。自分の愛を思い出す旅だ。
愛から外れるな。

そう教えてくれた。


それからの僕は時間があれば内観するようになった。やるときは真面目だがこれは人生の一部だ。


普通に遊び、生活も大切にしていた。


教授から教わった創造の源に繋がる方法を得て、降りてくる感覚を元に信念体系を変えると、

驚くほど短時間に人間関係も人生の流れも180度

望む方に変わった。


あれ…?この人こんな人だったか…?

今まで僕がみていた毎日はなんだったんだ…?


ゲームに出てくる登場人物や世界観の設定が全て変わったように見えた。



だけど最初から上手くいったわけではない。

内観が嫌いでやめた時期もある。




もう少しこの世界の知識を得ようと思い


海外講師の講演や日本でも本を出している方の講演を見に行ったり、ティーチャーたちがいる場所にも出向いたりした。


だけど、どうしても僕には癒されていないのに無理しているようにみえてしまって、


教授に

「あの人たちがスピリチュアルティーチャーだなんて、信じられない」

「潜在意識を変えた先があれならもうやりたくない」


大人の幼稚園児にみえる、と正直に言ってしまった。


教授は驚いた顔をしたが、一拍おいて

「頑張ってきたんだな」 と苦笑して僕にコーヒーを出してくれた。



…ああ、僕は子どもだったんだな。


何かに反応してたんだ。


課題の達成に一生懸命取り組んでいる人や好きなことをしている人に対して失礼だったよな。


(自分て)性格悪いな…


何かを正そうとしてたんだ。

人をみて成長を安心して赦すこと、その人達が輝いて見えたことに、自分は程遠いと余裕がなかった。

その人のその先を信じてみてあげられたら良かったのに。



少し気を緩めると、

あるティーチャーが前から僕のことが気になっていたと話しかけに来てくれた。


僕からしたら、その人は輝いた世界にいる人だ。


人を他罰的にみてしまうし、みんなみたいには出来ないと話すと、こういう風にするといいよ、と性格が悪いと思っている僕ごと受けとめアドバイスをくれた。


自分で見れない観念も寄り添ってみてくれた。


潜在意識にネガティブはない。

必ず何かしらの役に立っていて

何かを守るために創り出している。

真理は愛。

そこから人生を変え創ることができる。


みんな優しいんだな。


そう気づいたのもこの時期だ。


それからの僕は自然と愛ある素敵な人たちと交流する機会に恵まれた。



内観をやりすぎると

⚫️が⚪️になって、綺麗になりすぎても何が好きか分からなくなることがあった。


だからために適度に体験する時期を入れた。

感動と経験をバランス良く入れると、楽しさを忘れないでより美しく輝いた魂でいられる気がする。


また、そこまで深くみなくても考え方の構築で

心の盲点をついてあげると、折りたたんだ箱が全方に開いて、それだけでも癒されるだろう。



もちろんこれらが全てではないし、これをやる必要もない。


青い空を思い浮かべろと言っても、同じ青い空を思い浮かべる人はいないだろう。

生きてきた分だけの通りがある。



何もしなくても、そばにいて話をきいてくれるだけで癒される、それだけでいい。


特別なものがなくても優しさや思いやりがあれば十分なんだ。