●遮文茶(しゃもんだ)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 天之巻』より)
ヒンドゥー教では、死と病の女神「チャームンダー
(Camunda)」。
夜叉あるいは超屍鬼の類の悪鬼で、毘陀羅法(死体を
操り動かす法。ヴェーターラ:Vetala)に用いる鬼の類。
閻魔七母の上首(閻魔天の七名の后の筆頭)にして、演秘鈔
第五には「遮文茶は呪術神祷を以って世人を害す、
世人またこの法を行うものあり。法華経では吉遮、または
人吉遮という」とある。
胎蔵界曼荼羅外金剛部院には西方に位し、赤黒い色
した猪頭で冠を頂き、右手に器盤、左手を拳にして腰に
当て、筵の上に座す。
印相は左手を上に、髑髏を受ける如くする。
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今回、閻魔大王・・・というよりヒンドゥー教の「ヤマ」の后の、
その筆頭とされるイノシシ顔の女尊です。
人の死体を使役する呪法を持つとされ、ヒンドゥー教では
天然痘を司る神なのだとか・・・・・。
ただし、wikipediaによると、
イノシシ顔なのはヴァーラーヒーという名の后の方であり、
チャームンダーは瘦せこけた醜女の姿だとか・・・。
どっちにしても鬼女ですけどもね・・・。
このようではありますが、ヒンドゥー教では信仰対象でして、
人間の苦しみを代わりに受けて、人を癒して下さるのだとか。
どうやら、人を害する夜叉「吉遮(きっしゃ)」と同一視された
ことによる伝承もあるっぽいです。
詳しいことは分かりかねますが。
という訳で、御利益はチャームンダーと同じく
「苦しみを代わりに引き受けて頂ける」
で良いかと。
伝承こそ恐い尊ではありますが、実は人の心の弱さにも
寄り添い親身になって下さる、お優しい尊かも知れません。
真言は、
「オン・コロコロ・シャモンダ・ソワカ」
です。
実は、
三毒(貪欲・憎悪・愚痴)と煩悩の象徴たる神「摩多羅神さま」と
全く同じ真言です。
詳細はリブログ先(↓)を読んで頂きたく。
真言が同じであるのは、
摩多羅神に延命の御利益があること、および摩多羅神と同一と
される摩怛利神に疫病退散の御利益があるため、シャモンダ
(チャームンダー)の意味である「死と病」に関係するためだと
思われます。
摩多羅神は由緒不明な点の多い仏尊であるため、遮文茶とは
たぶん同一神ではないです。
あ・・・
ちなみに、死体を操る力は、真言には無いと思います。
それをするには毘陀羅法とかいうのを学ぶ必要があるかと。
まぁ現代にまで伝わってるんだかどうか・・・。
伝わってたとしても一般にまで情報は下りてこないでしょうし、
恐らくそれなりに法力を身に付けてないとダメでしょうけど。
印は上記通り、
左手で髑髏を受け取るような形にすれば良いかと・・・・。