●羅刹童(らせつどう)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 天之巻』より)
童形した悪鬼で、男性は「羅刹娑(Raksasa)」あるいは
「羅刹婆」、女性は「羅刹私(Raksasi)」という。
「暴悪可畏(ぼうあくかい)」とも称される。
慧琳音義に曰く『人の血肉を喰らい、或いは空を飛び、
或いは地を行く、捷疾畏るべきものなり。羅刹国に住する
鬼類なれども胎蔵界曼荼羅外金剛院には、羅刹天の眷属
として東南の角隅に在り』と。
また、羅刹には八大羅刹女、十大羅刹女、十二大羅刹女
などがある。
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今回、子供の形をした羅刹です。
「悪鬼羅刹」という言葉もあるように、本来は鬼の系統に
類される尊です・・・・。
しかも、どうやら特定の固有名としてではないようなので、
以前に羅刹天をUPしておりますが、たくさんいるその眷属
たる羅刹の、その一種の全体名っぽいです・・・。
つまり人を喰らう童子っぽい存在がわらわらと・・・。
そんな鬼神にどのようなご利益があるものか、本には
書かれてありませんでした。
ただ、羅刹天の”人を喰らう”という性質が、転じて
”煩悩を喰らう”という解釈になっているのを鑑みれば、
ご利益は羅刹天と同じ、「煩悩除去」でよいかと
思われます。
真言は
「ラギダ・バギャ・ニビ・ソワカ」
です。
印は、
合掌して、薬指を曲げて合わせ、人差し指のみ開きます。