●穣麌梨童女 / 常瞿梨童女(じょうぐりどうにょ)

(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 天之巻』より)

 

常求利童女」や「常虞利童女」、「襄虞梨童女」などとも

書き、「大體」とも称す。

サンスクリット名は「ジョーゴリ(Jogori)」で、『解毒剤を

分かつもの』という意味がある。

 

童女経に曰く、『雪山の北は香醉山に住み、百福の相好

以ってその身を荘厳し、鹿皮の衣を着て、諸々の毒蛇を

瓔珞(仏教装具としての首飾り・胸飾り)とし、諸々の毒虫や

蛟蝮(オロチなどの竜や マムシなど)の類を率いて、自身の

周りに置いてはこれと戯れ、毒漿(毒入りおもゆ)を飲み

毒果を喰らう』という。

 

また、

世間の諸毒のみならず、よく三毒を滅するとあるが如く、

この童女は一切有情の毒を受けるのを防ぎ、一切衆生の

有する三毒の煩悩を除滅することを本誓とする』とある。

 

その姿は、『その身は緑色にして、七頭を具足し、頂きに

円光あり。四臂を有して、右の第一手には三戟を、第二手

には三五茎の孔雀の尾を執る。左の第一手には一匹の

黒蛇を握り、第二手は施無畏を結ぶ』と。

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実に4ヶ月ぶりの真言ありの仏尊です。ニコニコ

 

それだけ思いの外、真言不詳の尊が多いということでも

ありますが・・・キョロキョロ

 

 

 

 

今回の天部はネットで調べると、その名前の漢字が全くと

言っていいほど一定していません

上記の説明文にある漢字以外のものも見受けられます。

それほどにマイナーな天部ということでしょう。えー

 

 

が、

詳細の文章は存外多めです。びっくり

 

 

 

思いますに・・・・

 

説明文からしてこの尊に解毒の御利益があるのは明白ですが、えー

 

仏教発祥の地であるインドでは、未だコブラによる死者が

年間1万人近くも出ている一方、日本ではマムシによる死者は

10名ほど、ヤマカガシは2~5名と、解毒の必要性が圧倒的に

違います

キングコブラの毒性はマムシの44倍だそうですし・・・・。滝汗

(ちなみに、マムシよりヤマカガシの方が毒性は強いですが、ヤマカガシは

気性的に大人しいため噛まれる確率が低いようです)

 

 

 

 

もちろん

仏教伝来の時期には血清もないため、日本でももっと死者は

いたかも知れません。

が、コブラと日本の毒蛇の毒性の強さが昔と異なっているとは

思われませんし、血清が無かったからと何百人、何千人も

マムシやヤマカガシの犠牲者がいたとは到底思われません。真顔

 

 

何より、インドと日本の気温を考えれば、活動期間や年間の

産卵回数で遭遇率や個体数の差により噛まれる確率はインドの

方が圧倒的でしょう。笑い泣き

 

 

 

 

故に、

インドではその必要性から性格付けが強くなされていった一方、

日本では存在意義が低くマイナーな扱いになったのではないかと。えー

 

 

ご利益の内容如何で尊崇の度が変わるのは人情というものですし、

医術や化学の劣っていた昔は、神仏は生活と密接に関わっていた

わけですから詮無いことでしょう。真顔

 

 

 

 

 

 

 

 

ともあれ御利益は、

解毒」や「毒除け」、

 

ならびに

 

「三毒(貪(むさぼり)・瞋(にくしみ)・癡(おろかさ))を滅する」

ということから、

煩悩退散」になります。口笛

 

 

 

 

 

 

 

 

真言ですが、

本には、”長い真言は童女経を見ろ”的なことが書かれて

あって割愛されており、短い方のみありまして、

 

オン・ハッタ・ソワカ

 

になるそうです。ウインク

 

 

 

 

 

 

印は、

説明文が意味不明でよく分かりませんでしたが、滝汗

この天部の四つある手の一つが施無畏印を結んで

いるので、同じでよいと思います。ニコニコ