●庚申(こうしん)

(※画像は文化遺産オンラインより)

(石川県中能登町指定有形文化財「青面金剛像」)

庚申とは元来、暦の一つ「かのえさる」の意で、

江戸時代に一般民衆の間で全盛を極めていた

庚申(こうしん)信仰」の尊。

庚申は、申の日にちなむことから、猿田彦(サルタヒコ)

道祖神などと習合され、後年は寺に於いて青面金剛

(しょうめんこんごう)と習合されるようになった。

 

元を辿れば中国の民間道教に於ける三尸説

(さんしせつ)を根拠とする。

三尸とは、

人間の体内に棲む童子や馬に似たで、庚申の日に

限り、人間が眠っている間に天上界に上り、司命神

しめいしん:寿命を司る神)へ、その人間の行状の

一切を報告。それを元に司命神が善悪を判断し、

悪行多ければ寿命を減らすとされた。

 

三尸を殺す法もあったが、五穀断ちなどの長期間の

苦行を強いられるため一般民衆にそれは叶わず、

それ故に、庚申の日は男女の交わりを断ち、謹慎して

三尸の動きを監視するという法が用いられた。

その法は8世紀頃には既にあったとされる。

 

三尸は恐れられた反面、逆にそれをさえ抑えれば長寿

なると考えられ、庚申信仰は江戸時代に隆盛を極める

この頃になると、信仰は「庚申講」という組織単位で

行われた。

三尸を封じる法も、社寺の庚申社や庚申堂に皆で集まって、

御神酒や精進料理を供え、祭事を行った後に一晩中

飲み食いしながら、三尸を寝ずに監視するというものに

なった。

しかし、明治に入ると、三尸は根拠の無い迷信として

排撃され、次第に廃れていった。

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これまでと、かなり趣の変わった話になりましたが、

江戸時代にはこのような信仰が流行っていたようです。

 

ただ、悪行が多いと寿命が減るというのは「憎まれっ子、

世に憚る」という言葉からすると相反する内容ですね。えー

ま、善悪で寿命が決まるんだったら、上記では御老人は

全員が悪人(三尸説では早死にされた方が)という事に

なりますわな。ニヤニヤ

庚申の霊験は兎も角も、三尸説は迷信だと個人的にも

結論付けたく思います。真顔

 

ま、実際、江戸時代に三尸封じに参加した人も、単に

宴会の口実を設けてたんじゃないのか 

という気もしないでもないんですけど――ニヤリ

 

で、

習合された青面金剛なんですが、本には詳細がなく、

ネットでもよくわかりませんでした。えー

もはや、ほぼ庚申の神そのものという扱いになってます。ニヤリ

 

 

御利益ですが、

延命(人によっては三尸を封じる必要あり?)」・

病気平癒」・「厄除け」・「学業成就」・「商売繁盛」・

縁結び」・「安産」など

 

 

真言は2つあり、

オン・コウシンデイ・コウシンデイ・マイタリ・マイタリ・ソワカ

 

もう一つは「青面金剛」の呪で、

オン・デイバ・ヤキシャ・バンダ・バンダ・カカカカ・ソワカ

・・・パンダ・パンダじゃないですよ、念のため。笑い泣き

 

ちなみに、

元々神道の神でも仏教の仏でもないため、神仏分離に伴い

存在が神社と寺社とに分かれた為、庚申祝詞

存在します。   それは次回にでも。口笛

 

 

印は複雑で、滝汗

右の人差し指の先端を左の中指の先端と、

左の人差し指の先端を右の中指の先端と合わせて、

薬指は内側に曲げて、小指は立てて先端同士を合わせます。

 

動画は、大阪府寝屋川市の金剛寺さんの大祭の模様を。