小林市は天孫降臨で知られる(延岡の高千穂説もありますが)
高千穂の峰の麓にあり(お隣の高原町ほどガッツリでは
ありませんけども…)、霧島六社権現の膝元でもあります。
ただ、その霧島六社権現の一社である「霧島岑神社」
よりも、もしかしたら創建の古い神社が存在します。
それが「岩戸神社」です。
その創建は大宝元年(701年)。岑神社は官社となったのが
承和4年(837年)で、創建された年は不明ではありますが、
創建に関することが史料に無いということは、官社になるまで
然程の地位に無かった可能性もあります。
・・・まぁ、比べてもしょうがありませんが、
岑神社に比肩する程の由緒であることは間違いないでしょう。
しかしながら、この岩戸神社、
遥か以前は川岸に存在しており、洪水により流されたため
別の地に移され、更に2~300年経った頃に野火により
社殿が焼けたために現在の地の麓に移っています。
のみならず今度は大雨で度々、社殿が土砂に埋まったため、
麓より少し上の方へ移され現在に至るという経緯を辿っています。
そのようなこともあってか、現在は市街地近くにありながら、
もの寂しい状況となっております・・・。
ともあれ、参拝して参りました。
祭神は「手力男命(タジカラオノミコト)」。
天の岩屋へ御隠れになられた天照大神が、外へ顔を覗かれた際、
岩戸を力で抉じ開けられた神様です。
摂社に祀られてあるのは「櫛磐間内命(クシイワマドノミコト)」
および「豊磐間内命(トヨイワマドノミコト)」です。
また、古くから岩戸神楽が伝承されています。
神社は往還路に面した場所にあり、鳥居の前には
岑神社の仁王像に近しい型の像が入り口に鎮座しております。
ただ敷地は広くなく、十段に満たない階段を昇って右を向くと、
すぐに社殿が見えます、写真のように。
写真の右側のフレーム外に手水場があるのですが、水の供給源は無く、
ただ水が溜まっている状態です・・・。
もし度々の受難に遭わずいたらと思うと、残念なことではあります。
また、駐車場がないのも、現代人には参拝するに厳しい条件で
あろうかと・・・。
社殿は当然ながら新し目ですが、それでも建立は昭和8年。
氏子の方々の積み立てと有志による寄付により建立されたとのこと。
ともあれ、
カンペを見ながらの拙さながら、祝詞を捧げて参りました。
寂しい状況ではありますが、神楽も伝承されている古式床しい
神社さんです。
社殿の紙に宮司様の連絡先が書かれてありましたので、
もしかしたら御朱印を頂くことも可能かも知れません。