●弁才天(べんざいてん)
(※画像は文化遺産オンラインから)
(東京国立博物館所蔵「弁才天十五童子像」)
密教に於ける天部の一神。インド神話では「サラスヴァティー」。
サラスヴァティーとは「水多き地」を意味する河の名で、それを
神格化したもの。それへ弁舌の神「ヴァーナ」を習合したため
弁才天と訳され、また、川の涼やかなせせらぎから想起され
「美音天」・「妙音天」とも称される。
インドではビーナと呼ばれる弦楽器を持つ姿で描かれるが、
日本に入って来ると琵琶に変更される。中世になって財福の
神ともされたことから「弁財天」とも書かれるようになった。
また、弁才天は神仏習合に伴い、宗像三女神の三女である
「市杵島姫命(イチキヒメノミコト:別名を狭依毘売命(サヨリ
ヒメノミコト)、または瀛津島姫命(オキツシマヒメノミコト))」と
同一視されるようになる。
更に仏教では観音菩薩の化身とされ、梵天の妃とも娘ともされる。
日本で福の神とされた背景には、財宝の守護神とされる蛇を
使役するからともされるが、インドの聖典では「世界の富を知る」
・「富を伴侶とする」ともあり、元来その性質を有していたとされる。
また、蛇神である宇賀神とも習合され、十五童子を眷属と従える
宇賀弁才天としても信仰を集めた。
七福神が現在の形に定まるまで、吉祥天とその座を争ったこともある。
(吉祥天を取り入れ八福神とするところもある)
芸能の神としても有名な神様ですね。
日本では「弁天」とも略称され、元が川の名前ですので、水の神として
水辺に祀るのが一般的なのだそう。
弁才天には面白い伝説が日本にあり、
欽明天皇の頃、海に悪しき龍が住み着き人々を苦しめていた折、
大地が震えて動き、海上に孤島が浮かび上がると、そこへ弁才天が
降臨し、悪しき龍を倒したのだとか。
その孤島が「江ノ島」であり、江ノ島にある「江島神社」は「日本三大
弁天」に数えられています。
御利益は、
「金運上昇」・「財福」・「商売繁昌」・「弁舌向上」・「芸能上達」
弁舌と芸能は弁才天ならでは、といったところでしょう。
密教での真言は、
「オン・サラスバティ・エイ・ソワカ」
宇賀弁才天の真言は、
「オン・ウカヤジャヤギャラベイ・ソワカ」
印は、こんな感じです。
唱えて頂けている動画――は、いいのがなかったので
奉納太鼓の動画(「妙音天」は前述した通り弁才天の別名です)。