●大元帥明王 / 太元帥明王(だいげんすいみょうおう)
(※画像は 醍醐寺 文化財アーカイブス「大元帥明王像(四臂)」)
インド名は「アタバク(アータヴァカ)」。
訳すると「広野鬼神」で、広大な徳を有する者、となる。
全ての明王の総帥であり、あらゆる仏・菩薩の集合体
だともされる。その憤怒の形相は、あらゆる明王の中で
最も恐ろしいという。日本に於ける階級「元帥」の元となった。
『阿吨薄倶元帥儀軌(あたばくげんすいぎき)』によれば、
釈迦入滅の際に阿吨薄倶元帥という大将軍が天龍・
阿修羅・八部鬼神・四大天王・二十八部の夜叉大将を
集めて、各々協力し合って仏の教えを守り、人々から
煩悩を取り去り、世を安泰とすると誓ったとされ、その
阿吨薄倶元帥が大元帥明王である。
その霊験は絶大で、文徳天皇の勅命により大元帥法が
修法されてより、国家安康のための修法が慣例化した。
また、平将門の乱の際も勅命により将門調伏の修法が
為されたが、修法を終えたその日に将門は絶命している。
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一個人どころか国家さえ守護する霊験を有する明王さまです。
wikiでは鬼神アータヴァカとされていますが、本の方は
それに触れてないので、気になる方はwikiでご確認ください。
それによると、元は子供を喰い殺す悪鬼だったとか・・・。
そういう明王様ですので、形相がとても恐ろしいそうで、
空海の弟子である常暁阿闍梨が、大元帥明王の法を
教えられて一心不乱に修法すると、井戸に大元帥明王が
映り、その形相に思わず気絶したと伝わっているほど。
御利益は、
「必勝祈願」・「国土防衛」・「敵国粉砕」・「悪霊退散」
「悪鬼調伏」・「病魔退散」
一個人で唱えていい真言なのでしょうか・・・。
真言は
「タリツ・タボリツ・パラボリツ・シャヤンメイ・シャヤンメイ・
タララサンタン・ラエンビ・ソワカ」
サンスクリット語の発音の解釈の違いですが、
「ノウボウ・タリツ・ボリツ・ハラボリツ・シャキンメイ・シャキンメイ・
タラサンダン・オエンビ・ソワカ」
という表記のものもあります。
何れにしても長めです。
ま、国土防衛の御利益があるくらいですからねぇ。
印は、本にあったのは大日如来の智拳印と同じでした。
唱えて頂けている動画。