今回より明王編です。
明王は古代インド神話の神々や鬼神を仏教に
取り入れたもので、明王の「明」は明呪…つまり
「真言(マントラ)」を意味します。
密教に於いては明王真言の威力は絶大で、恩恵は
計り知れないとされています。
引用元の本には全部の明王は掲載されていませんが、
主要な明王は網羅しているものと思われます。
●不動明王(ふどうみょうおう)
(※画像は文化遺産オンラインより)
(北海道松前町の阿吽寺所蔵「不動明王立像」)
インド名は「アチャラナータ」。
インド神話のシヴァ神の異名である「動かない守護者」が
そのまま仏教名となった。密教では「常住金剛」とも呼ばれる。
大日如来の化身ともされ、日本では「お不動さん」として親しまれた。
また、酉年生まれの人の守り本尊でもある。
大乗仏教成立の末頃から不動明王を説く経典が増え始め、
『大日経』が成立すると、五大明王(「不動明王」・「降三世明王」・
「軍荼利明王」・「大威徳明王」・「金剛夜叉明王」)の主観となった。
その霊験は強く、弘法大師が唐より帰国する際に海が荒れたため
不動明王像に祈念すると像が動き出し、波を切るような動作をして
波を鎮めたとされる他、元寇襲来の際は退散祈願が不動明王に対して
行われている。
また、不動明王は修験者の加護と功の達成を助ける慈悲の存在でもあり、
荒行中の荒行である天台宗の千日回峰行では必ず不動明王の
真言を唱えるのだという。
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不動明王真言は、真言の中でも最強の部類と言われてますな。
その元たるシヴァ神はインド神話に於いて破壊と創造の神で、
ヒンドゥー教でも最高神の一人とされていますから、
その霊験たるや推して知るべしといったところでしょうか。
また不動明王を本尊とする成田山新勝寺のお守りは、袋の中に
焼き印をした板が入っていますが、身に着けた者に何かしら
あった際には身代わりとして板が割れるとされています。
御利益は
「怨敵調伏」・「国家安泰」・「勝負必勝」・「立身出世」・「商売繁盛」・
「災難除去」・「招福」・「現世利益」・「厄除け」・「修験者加護」など。
流石に御利益多めですし、勇まし系のものが多いですな。
また、酉年生まれの人に限っては「開運」の御利益も。
真言は
「ナウマク・サマンダ・バサラダン・センダン・マカロシャダ・
ソワタヤ・ウンタラタ・カン・マン」(慈教呪)
・・・・少々長いです。が、
「ナウマク・サマンダ・バサラダン・カン」(一字呪)
でもよいようです。
もっと長いのがいいというマゾな方には、
「ナウマク・サラバ・タタギャテイ・ビヤサルバ・モッケイ・ビヤサルバ・
タタラタ・センダ・マカロシャナ・ケン・ギャキ・ギャキ・サルバビキナン・
ウン・タラタ・カン・マン」(火界呪)
「ナウマク・サマンダ・バサラナン・タラタ・アボキャ・センダ・
マカロシャナ・ソワタヤ・ウン・タラタヤ・タラタヤ・ウン・タラタ・カン・マン」
(不動施残食呪)
というのもあります。
印は、一般的に知られているものと本に載っていたものが
違うので、両方載せます。左が一般的・右が本。
印は他にもあるようです。
修行者は14種の印を結ぶそうですし・・・。
唱えて頂けている動画。