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 私は、すぐ隣の暖炉から熱を感じつつ、揺り篭に静謐と横たわる彼女に、下手な子守歌を聴かせている。

 静かに寝息を立て始めた彼女を確認した後、ゆっくりと体を伸ばしている。すると、背中に柔らかく冷たい塊が当たる。

振り返ると、そこには彼女の姉が凝然として立ち上り、脇には聳える雪玉の山が見えた。どうやら、雪玉を丸めて待ち構えていたらしい。ただ投げ返せば、仕返しされるだけだと確信した私は、立ち上がり近づこうとする。それを見て彼女は逃げ出すが、距離はゆっくりと縮まる。

 そんな追走劇も束の間に、突然こちらを振り返った彼女は、その手を広げ私を待ち構えるのだ。勢いをなんとか抑えつつ、彼女に優しくぶつかると、二人の距離は思いがけないほどに近づく。荒い息と、朱の差した顔。彼女と見つめ合う。 彼女の顔に覆い重なるように、ゆっくりと顔を近づけ・・・あと少しで彼女に触れることが出来る。

 その間際、両頬に白河夜船に昏々としていたはずの、彼女の妹の冷えきった手を添えられた。
 妹の怒り狂った妙なる音色の中、姉は、私にあの暖かい笑みを向けている。