
ジェジュンが明かす、ドキュメンタリー映画撮影の裏側 故郷への訪問や楽曲制作の模様も
ジェジュンが明かす、ドキュメンタリー映画撮影の裏側 故郷への訪問や楽曲制作の模様も
文・取材=坂本ゆかり、画像提供=©STORY WORKS

メンタリー映画『ジェジュン:オン・ザ・ロード』が、7月2日から公開された。現在ソロアーティストとして活動するジェジュンのルーツや関わりの深い人物、楽曲制作の模様などに迫る貴重な映像だ。彼が最も好きな映画だという『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督が密着し、監督からの質問に答えながら進んでいく。これまで見えてこなかったジェジュンの素顔も明らかになり、あまりに赤裸々すぎて本人も「2回見るのは無理かも」と言うほど。そんな映画に関するジェジュンへのインタビューの模様をお届けする。(編集部)
「なんでこんなことまで言っちゃったんだろう」と後悔したシーンもありました

――映画の告知ポスターにもなっている草原のシーンがとても印象的ですが、ここはジェジュンさんにとってどんな場所なのですか?
ジェジュン:周りの環境や他の人のことを全く気にせずに自分を解放できる場所、僕が一番自由を感じられる場所です。ここに来ると裸の自分になれるんですよね。映画でこの場所を紹介したのは、自分だけが知っている場所を友だちに自慢する感じに近いかも(笑)。
ソウルの近くなんですけれど、工業地帯として開発されている場所なのに、なぜかここだけポツンと自然が残されていて、癒されるんです。本当に何もないんだけど、唯一、恐竜博物館だけがある。恐竜に興味はなくても、トイレに行ける場所がそこしかないので、必然的に博物館にも行くことになるんですけれど(笑)。
――『ジェジュン:オン・ザ・ロード』は、映画『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督が手持ちカメラでジェジュンさんに密着。ジェジュンさんと
思い出の場所を巡るというドキュメンタリー映画です。なぜ、イ・ジェハン監督と作品を作ることになったのですか?
ジェジュン:まず、『私の頭の中の消しゴム』は、僕が一番好きな映画ということが理由のひとつ。僕の「Heaven」という曲(2013年のアルバム『WWW:Who、When、Why』収録)は、『私の頭の中の消しゴム』をモチーフに歌詞を書いたくらい。
それに、イ・ジェハン監督は昔からの友だちなんです。(お酒を)飲みながらたくさん話をしてきたから、お互い、何でも知っている間柄だと思っていたんだけれど、この作品を撮ってみて、そうじゃなかったと知りました(笑)。今が100だとしたら、以前は20くらいしかわかってなかった。それくらいこの作品で、監督から深い質問を投げかけられてお互いのことが理解できました。

――監督からの質問にジェジュンさんが答える形でストーリーが進んでいきますが、答えにくい質問もあったのでは?
ジェジュン:躊躇した質問もあったけれど、自然な答えを引き出してもらえたと思います。監督には、そういう能力と才能があるんですよね……。
まさか、こんなに深い話をすることになるなんて、思ってもいなかったんですよ。今まで18年間活動してきたけれど、マスコミから聞かれたことがない質問も多かった。だから、初めて話すことも多くて。仕事だと思ったら答えられなかったかもしれません。


――複雑な生い立ちや、貧しかった少年時代、過去の音楽活動の話など、「こんな話までしてしまうのか!」と思ったシーンもありました。
ジェジュン:「なんでこんなことまで言っちゃったんだろう」って後悔したシーンもありました。家族のことや、どうやって育ってきたのか……、初めて知る方はびっくりするかもしれませんね。作品になった10倍はカメラを回していたから、カットされてしまったところも多いのですが、そこにはもっと深いシーンもあったんです。
自分の人生が映画になるなんて、すごく恥ずかしい。だから1回は見られるかもしれないけど、2回は無理ですね(笑)。

――映画ではまず、思い出の地として、故郷、公州市を訪れます。予告編にもそのときの様子が出てきますが、「鉄橋」を渡って行くんですね。
ジェジュン:はい。作られて100年くらい経つ古い橋です。子どもの頃はすごく大きく感じていたんだけれど、大人になって久しぶりに行ったら「こんなに小さかったっけ?」と思いました。そんな場所を自分の車で走るなんて……。「いやあ、すごいなあ」と思いました。
――その故郷では、懐かしい人との再会のシーンもありました。
ジェジュン:同級生と、中学生の時代の担任の先生が出てくれました。先生は、「歌手になりたい!」という夢を応援してくれた方。すごく久しぶりだったので、年をとった先生の顔を見た瞬間、胸が熱くなってしまって……。
――他にも軍隊時代の友人、芸能界の後輩など、身近な人たちも登場しています。
ジェジュン:軍隊の同期たちが映像で登場するのは初めてじゃないかな? 仲のいい友達を紹介できるのは、すごく嬉しいですね。食事の席で撮影したのですが、カメラを前に、どこまで素の姿を見せてくれるのか興味があったんだけど、意外と緊張してなかったですよね。むしろ、「余計なこと言いすぎ!」って思うくらいリラックスしてました(笑)。
あと、グンちゃん……、チャン・グンソクさんが僕について語ってくれているのですが、出てくれているってことを知らなかったんですよ(笑)。一緒のシーンではなかったので。びっくりしました。
HYDEさんに曲をいただいたときと同じくらいのプレッシャー
――作中では、アーティストであるジェジュンさんの姿も見せてくれています。冒頭に、「映画『私の頭の中の消しゴム』が大好き」というお話もありましたが、この作品の中で『私の頭の中の消しゴム』の挿入歌「Rain,Tomorrow」をカバーされていますね。
ジェジュン:はい。「Rain,Tomorrow」は、韓国の国民的バンド「プファル(復活)」の曲。レコーディングをするときに、プファルのリーダー、キム・テウォンさんがスタジオに来てくださったんです。カバーをするというだけでも、僕の人生の中の大事件だったのに!
僕的には、HYDEさんに曲をいただいたときと同じくらいのプレッシャーでした。それくらい大きな存在の方なので、すごく緊張しました。
――曲作りのシーンも興味深かったです。メロディを先に作って、後から歌詞を書き上げるんですね。映画の主題歌「We’re」も同じように作られたのでしょうか?
ジェジュン:そうです。作中では監督から「普段曲はどうやって作ってるの?」という質問があって、それに答えて曲作りのシーンを入れたのですが、「We’re」はその時にキーボードで弾いていたコードを使って作った曲です。
後から「サウンドトラックアルバムを出しましょう」という話になって、映画の撮影の時に僕が抱いていた様々な感情を思い出しながら、歌詞を書きました。
「寂しい時や悲しい時はたくさんあるけれど、周りの友だちや、応援してくれるファンの皆さん、そして家族……、大切な存在がいるから僕は寂しくないんだ」という気持ちを込めた曲。この映画を撮影して、改めて感じたことです。

――最後に、日本のファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
ジェジュン:皆さん、会いたいですね、本当に。直接会うことはまだ難しいですが、この映画を通じて、たくさんの方にお会いできるのは嬉しいです。ドキュメンタリー映画なので、僕のことを知らない方々が見てどういう感情を抱くのか少し不安ですが、僕は皆さんの前で裸になっている気持ち(笑)。自分で見るのは恥ずかしいけれど、素晴らしい映像に仕上がっていると思いますので、見ていただけると嬉しいです。
■公開情報
『ジェジュン:オン・ザ・ロード(原題:「ON THE ROAD an artist’s journey」)』
【公開日】
2021年7月2日(金)
【コピーライト】
©STORY WORKS
【尺】
113分(予定)
【鑑賞料金】
特別鑑賞料金 2,500円均一
【キャスト】
ジェジュン
【スタッフ】
監督:イ・ジェハン(『私の頭の中の消しゴム』『サヨナライツカ』)
音楽:パク・ソンイル(『梨泰院クラス』)
【製作】
韓国
【制作年】
2021年
【本編スペック】
2021/韓国/カラー/シネスコ/2ch/113分
【配給】
ローソンエンタテインメント
【ストーリー】
日韓で活躍するアーティスト、ジェジュン。これまでの彼の人生を巡りながら、
その真髄に迫る感動的なドキュメンタリー映画。ステージで見せるアーティストの姿ではなく、まっさらな一人の青年としての悩みや価値観、夢、そして音楽活動における思いなど飾らずに語る姿をイ・ジェハン監督が密着して映し出した。
映画公式サイト:http://lwp.jp/jor/
ジェジュン公式HP: https://jaefans.com/
映画公式Twitter:@jj_otr_JP