──この国では、偏差値が喪主を務めます。
そう聞いて、あなたは笑いますか? それとも、うなずきますか?
 
本稿は、皮肉と笑いをこめて“学歴社会”を見送る、風刺と祈りの国家葬儀記録です。
国葬という形式を借りながら、教育と社会が築いてきた“信仰装置”を一つずつ送り火にし、
日本的受験戦争に幕を下ろすと同時に──
その跡地に、未来をひらく新しい教育制度を築きます。
 
笑ってください。
でも心のどこかで、「これは、自分の話かもしれない」と思ってくれたら、うれしいです。
 
  

◆ 故・学歴社会 国家葬儀式場 ◆

主催:文部科学省
協力:NUG(国立教育ネットワーク大学体)準備局
喪主:偏差値
 

司会
本日はお忙しい中、「故・学歴社会」様の国家葬儀にご参列いただき、心より御礼申し上げます。
故人は、明治期の「帝国大学制度」の誕生とともにお生まれになりました。
国家の近代化を支える“知の階層”として、その存在は圧倒的な重みを持っておりました。
戦後は学制改革と偏差値教育の波に乗り、やがて“国民的信仰対象”へと登り詰めたのでございます。
 
昭和の高度経済成長期には、
いい大学に入れば、いい会社に入れて、いい人生が送れる──
という人生すごろくのゴール判定係として、ご活躍されました。
 
平成以降もその存在感は衰えることなく、
・就職活動のESフィルター
・婚活市場の条件検索
・親戚の正月の話題
・SNSでのマウント合戦
……など、もはや「人生のどこにでも顔を出してくる厄介な親戚」のように、
人間関係と社会的価値のあらゆる文脈に登場しておられました。
 
ときに、東大ブランドの伝道師として、
ときに、Fランという烙印を押す冷徹な選別者として、
多くの人の人生を分類・評価し続けてこられました。
 
そして本日、静かにその役割を終えられました。
──享年140歳。
静かに、そしてようやく、永年の役目を終えられたことに、深く哀悼の意を表します。
 
なお、本日の喪主は、かねてより故人と深い関係にありました「偏差値」様にお願いしております。

 

 

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