司会
皆さま、本日はご多忙の中、
故・学歴様の国家葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
喪主・偏差値様より深く御礼申し上げます。
これより、学歴様と深い関係にあった方々に、順に弔問のお言葉を頂戴いたします。
本式場では、“形式的な哀悼”ではなく、“本音による供養”をお願いしております。
どうか、率直な想いで、故人を見送っていただければと存じます。
それでは、最初のご弔問者──河合塾様、お願いいたします。
河合塾
……この度は、故・学歴様のご逝去に際し、心より哀悼の意を表します。
私どもは、“受験”という制度の中で、学力を“点数化”し、“可能性を選別する”お手伝いをしてまいりました。
“全統模試でA判定なら、もう安心ですね”と笑顔で言い、
“D判定でも、希望は捨てないで”と、苦し紛れの励ましもしました。
でも、本当は……分かっていたんです。
模試も偏差値も、未来を約束するものじゃないって。
……“日本中の大学が統合されて、受験がなくなるなんて、うち、もう終わりです”って、最初は本音で思いましたよ。
でも、それってつまり、“うち”が成り立つためには、誰かが苦しんでなきゃいけなかったってことなんですよね。
学歴様、あなたと共に歩んだ50年でした。
今後は、“正解を当てる教育”から、“問いを育てる教育”へ、私たちも姿を変えていきます。」
司会
ありがとうございました
それでは、他にも──長年、故人と深く関わってこられた皆さまから、おひとりずつ、お言葉を頂戴できればと存じます。
霊体の方もどうぞ。
代ゼミの霊「これでやっと成仏できます。現代文は船口ぃ。」
サピママ「これでやっと“心からあなたの行きたい学校に行きなさい”と言えるわ。でも・・・なぜか涙が止まらないの・・・」
早慶文系全学部受験の霊「“どこに入りたい”じゃなくて、“どこでもいいから受かりたい”だったんだよな……だから俺、地に足が着いてないんだな……」
学歴フィルター人事「学歴さん、あなたがいなくなったらなにを基準にエントリーをはじけば良いんだよ……」
学歴コンプこじらせ中年霊「もう地縛霊としての道しかない」
アンチAO/推薦入試「不公平だ!点数こそ正義だ!“人間性”で合格とか甘えだろ!」
Fラン大学「いぇ〜〜〜〜〜いwwwww(遺影ピース)」
学歴ロンダリング「あなたが逝っても私の最終学歴が旧帝大であることは──永遠です」
自称テンプル大学MBA色黒霊「経営も、語学も、プレゼンもできた。でも、“学歴”だけが足りなかった。」
学歴系YouTuber「ほんで、NUGの偏差値いくつなん?」
(会場に静寂。最後の参列者が一礼して席に戻る。司会が前に出て、目線をゆっくり会場後方に向ける)
──ああ、そうそう。
会場の後方に、静かに座っておられる……そこのあなた。
この葬儀を、ここまで静かに見届けてくださったあなたも、きっと、何かしらの形で──
“故人”と関わりを持っておられたのではないでしょうか。
どうか、もしよろしければ──
あなたも、この焼香台(コメント欄)にひとつ、記憶をそっと置いていってください。
偏差値に縛られた自分
他人を学歴で見てしまった自分
学歴に救われたこと
学歴に傷ついたこと
……どんな形でも、構いません。
葬儀の続きはこちら執り行われております↓

