晴れの舞台に | blog  

皆さんは「晴れ着」と呼べるものをお持ちですか?

近頃はフォーマルとカジュアル、ハレとケの垣根が曖昧になりつつあります。
晴れ着を着る機会が生活の中から失われているのも事実。

しかしながら、楽だから、皆もそうしているから、という理由で礼を欠くことだけは避けたいものです。

当店に通ってくれる学生には指南することもあるのですが、就職活動でスーツにローファー、革靴にアンクルソックスはいただけません。

話がそれましたが、服装にはそれなりの格というものがあります。
ファッションや服飾の文化史的な側面を発信していくのも私の仕事だと思っています。
ご興味のある方、どうぞお店にいらして語りあいましょう。


さて、本日のご紹介は晴れ着に相応しいシルクのシャツブラウスです。







音楽家のお客様の思い入れのあるものということで、大事に着てこられたことかうかがえる雰囲気ある一枚です。
ただ、どうしても時間がたつことで生じる生地のいたみが見られ、時代を感じさせるデザインもリニューアルしたいとのこと。



そこでこのように仕上げました。



襟元のフリルのボリュームを調整。
ポイントとなるボタンはデッドストックのものに交換しました。





袖はいたみのある部分を隠しながらギャザーを寄せて、袖口に流れができるようにカット。





いかがでしょうか?
生地感やデザイン、お客様に合わせてうまくまとまったものになったと自負しています。
これでまた晴れの舞台でお召いただけるでしょうか。



晴れ着=高級品とは限りません。
もちろん、素材のいいもの、高価なものはそれだけで価値のあるものです。
しかし、人の思いが価値をつくり出し、「晴れの一着」を生み出すこともあるはずです。


皆さんも「晴れの一着」、見直してみませんか?




recouture Kai TAKABATAKE