関西電力による15%程度の節電要請が始まって2カ月あまり。管内の企業は知恵と汗をしぼって節電に取り組んでいるが、気になるのは節電によるコスト削減効果だ。電気代を節約できるのは業績にプラスと思われがちだが、業務負担の増加など思わぬマイナスの影響も少なくない。節電の“収支”はまちまちだ。
関電の電力使用率が97%を超えた場合、各フロアの空調を強制的に止めるなど、万全の節電態勢を整えた東洋紡。本社ビルの7月の電気料金は節電効果で前年同月比9・3%減少した。幸い空調の強制停止には至らず、担当者は「社内もあまり混乱しなかった」と、節電効果もさることながら、無事に夏を乗り切ったことに胸をなで下ろす。
同様に、工作機械大手の森精機製作所は、5月6日から奈良事業所(奈良県大和郡山市)をはじめ国内3工場でサマータイムを導入するなど、早期に節電対策を打ち出した。その甲斐あって4月から8月末までの間、電力使用量を前年同期比で25%削減した。
冷房の設定温度の変更や小まめな消灯など運用面の対策に加え、高効率照明の導入などの省エネ投資が奏功した。節電投資は必要に迫られての措置だが、結果的には「節電効果が投資額を上回った」(同社)と差し引きで収支はプラスだった。同社は来年夏も同様の節電を目指すという。
一方で「生産コストがアップした」と嘆くケースもある。ある大手機械メーカーは、関電の節電要請が始まった7月以降、自家発電を導入した。だが、燃料価格の高騰もあり、燃料コストが通常の電気代より高くついたようだ。
こうした中で、金銭面だけでは計れないメリットやデメリットも見えてきた。
ある大手家電メーカーは「節電に積極的に協力したことが、ブランドイメージの向上につながった」と語る。環境負荷の低減などに代表される企業の社会的責任(CSR)の一環として節電活動をアピールすることで、間接的に企業価値の向上につなげる狙いだ。
これに対し、節電が自社のサービスに直接、影響を及ぼす流通業などからは、嘆き節も聞こえてくる。
阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは、店内の空調の設定温度を前年より1、2度高めに設定したが、消費者から『暑い』と苦情を受けた場合、すぐさま例年並みに戻すなど、こまめな調節に追われた。「今年ほど神経をつかったことはない」と、ため息を漏らした。
同様に鉄道各社からは、「乗客から『空調が効きすぎ。節電が足りない』との指摘もあり、気をつかった」という声もあがるなど、節電の収支は業種によってまだら模様だ。
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