JR東日本の特急「成田エクスプレス」の車両(E259系)が、優れたデザインの鉄道車両などを表彰する「第11回ブルネル賞」の優秀賞を受賞した。世界的に栄誉ある賞だが、成田エクスプレスは現在、福島第1原発事故に伴う「節電ダイヤ」で本数を減らして運行中。JR関係者は「受賞は喜ばしいが、利用者には迷惑をかけているので……」と、一日も早いダイヤの復旧を願っている。【小林祥晃】
ブルネル賞は世界約20カ国の鉄道のデザイン担当者が集まる会議で、数年おきに選考される。車両だけでなく、駅などの鉄道施設も選考対象で、国内ではこれまでに新橋駅のチップ制トイレ(89年)や首都圏の駅の異常時案内用ディスプレー(08年)なども「推薦賞」を受賞した。
今年は東北新幹線「はやぶさ」用の車両(E5系)も優秀賞に選ばれたほか、九州・山陽新幹線「みずほ」「さくら」に使われているN700系が最高賞に選ばれている。
成田エクスプレスのE259系は09年に登場。トイレや荷物台などは高齢者や障害者も使いやすい「ユニバーサルデザイン」で、スーツケース置き場にはダイヤル式の鍵や防犯カメラを設置した。JR東日本広報部によると「車体デザインだけでなく、車内設備も含めたデザインのコンセプトが評価されたのではないか」という。
E259系登場まで成田エクスプレスに使われた「253系」も、今回と同じ賞を92年に受賞しており、成田エクスプレスは2代連続で同賞に輝いたことになる。
旧型の253系は昨年までに全車が「成田」から引退。しかし、優れたデザイン性もあって「商品価値」は下がっておらず、一部は新宿と日光を結ぶ特急として塗装をリニューアルして使用されている。また6両が長野県のローカル私鉄「長野電鉄」に譲り渡され、今年2月から同社の特急として第二の人生を送っている。
JR東日本の担当者は、今回の受賞について「良かったという思いはあるが、現在は節電ダイヤで本数を減らしており、成田方面への利用者にご迷惑をかけているので……」と控えめに喜びを語っている。
8月25日朝刊
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