こんにちは、植田信隆です。

僕は以前に介護士として介護施設で働いていました。

それぞれに担当のフロアが決まっていて、フロアごとに業務をこなしていました。

介護施設にいる高齢の方はあまり外に出る機会もなく、できることも限られているので、どこか寂しそうでした。

少しでも気持ちが前向きになればと思い、名言や格言を集めて壁に貼りました。

あまり派手にすると注意されると思ったので、一つずつ貼り出して月に一回ぐらいのペースで貼り替えていました。

そんなある日、一人のおばあさんから「そんなん貼ってどうなるの?ただの子供騙しやんか」と言われてしまいました。

まだ20代だった僕は「こういう言葉に響かない人もいるんだな」と思いました。

それでもしばらく続けていましたが、何か心の引っ掛かりを感じてやめました。

この行為は良くなかったのかなと思いました。

あれから20年経ち、そのことを思い出した時にふと気付きました。

あの時のおばあさんは名言の貼り紙に注意していた訳ではなかったのではないかと。

私達が今してほしいのはそういう事じゃないんだと教えてくれていたんだと気付きました。

声にならない心の訴えに耳を傾けるべきだったなと今になって思います。

若かった当時の自分はその事がわかりませんでした。

おばあさんはきっと歯痒い思いをされていたことでしょう。

少しでもストレスを減らしたり、居心地を良くする方法はあったはずなのに僕は気付きませんでした。

今になってあの時に学ばせてもらっていたんだとわかりました。

心の違和感はそれだったかもしれません。

そういうところに気付けるように心掛けようと思った今日この頃です。