哀しみも切なさも君のそばで謳いながら

哀しみも切なさも君のそばで謳いながら

たかうの大好きなブログ
気軽に覗いってね♪

Amebaでブログを始めよう!



宇野side


「へ?ちょ、にっしー!?」


いきなり手首を掴まれたと思ったら
彼は私を連れて部屋を出る。

「宇野、がんばれよーw」なんて言う
日高くんの声が聞こえたような気がするけど
今はそれどころじゃなくて。


「に、にっしー!どこ行くの?」

聞いても答えてくれないから
私はただついていくだけ。



連れてこられたのは
あまり使われてない練習スタジオ。

後ろ手で彼が鍵を閉めたのがわかる。


「に、にっしー?」

お、怒ってる…?
こいつが怒ったら怖いのは
もうさんざん経験してる…。

「あ、あの…」
「みさ。」
「は、はい。」


彼が距離をつめるから
見上げなければいけなくなる。


「…いい加減自覚しろよ」

トンっと、胸元を軽く小突かれる。

「……へ?……あっ」


そうだ、
あたし今すごい恥ずかしい格好してるんだ。

LIVE中は
気になんないし、別に意識したことないけど
にっしーと2人きりでこの状況で、この格好は
さすがに照れる。


「周りがどんな目でみさのこと見てるか
分かってる?」

どんな目って…
だってメンバーと気の知れたスタッフさんばっかだし…


「はぁ……みさって本当鈍感だよね」

ちょ、心外なんですけど!


「…本当はこんな格好誰にも見せたくねぇっつーの」

「へ?」

もしかして妬いてくれてる…?

「バカ。みさのバーカ。」

「ちょ、バカって…バカで悪かったわね!」


やきもち焼いてくれたのが 嬉しいのに、私から
出てくる言葉はいつも可愛くない
言葉ばっかりで。


「はぁ、もう。とりあえずこれ着とけ」

渡されたのは、にっしーのジャケット。

肩にかけられたソレから
ほのかに彼の匂いがする。

「にっしーの匂いだ…。」

「俺のにおい…?」

「うん…。にっしーの匂いがすると
すごい安心するの」

「…………。」


チュッ。


「……は!?ちょ、なんなの///いきなり!」

にっしーが優しくおでこにキスを落とす。

私の赤くなった顔を見て満足そうに言う。

「その顔も、人前ですんなよ」

「な、なんでよ」


壁際に追い詰められて
背中に壁が当たるのを感じる。


あ、もうヤバい。

彼は片手を私の顔の横の壁につく。


「なんでって?」




「だって、みさのその顔も、心も全部
俺のものだからだよ?
もちろん体もね?」


ニコっと笑いのける彼に
私の逃げ場はもうなくて。



リハ開始まで
あと20分。


あとはもう彼を感じるだけ。


Fin




CANDYからの投稿