2015829日~30日に金沢で開催された第17回放射線腫瘍学夏季セミナーに、当科の中村先生、研修医の武田先生と一緒に参加しました。

 

夏季セミナーは基礎から臨床まで、放射線治療に関して幅広く学ぶことができ、毎年人気のセミナーです。今年も治療計画に必要な物理学などの基礎に始まり、臨床では個々の疾患に対する具体的な照射法、さらに粒子線治療など最新の知見まで取り上げられていました。中でも印象深かったプログラムは「骨転移以外への緩和的放射線治療」です。緩和照射では特に、患者さん一人一人の症状や状態に合わせて照射方法を考える必要があります。経験の浅い私にはその辺りのさじ加減がまだ分かりにくいのですが、講演では様々な病態について具体的に照射法や線量、その後の経過が示され、たいへん参考になりました。ともすればオピオイドなど鎮痛薬ばかりに目が行きがちな緩和ケアですが、責任病巣への治療で症状がとれることを再認識でき、「疼痛治療の目標は『鎮痛薬を使わなくとも痛みがない状態』である」という文言が非常に印象に残りました。

 

今回のセミナーは夏休み最後の週末とかぶり、チケットの手配に苦心しましたが、金沢への往路は大阪経由で、復路は東京経由で、何とか往復することができました。どちらも其々7時間の旅路で、宇宙飛行士の油井さんが地球から宇宙ステーションへ到着するまでに6時間弱と聞いていましたので、長崎から金沢までは本当に遠いという印象でしたが、今年開通したばかりの北陸新幹線に乗れたことは嬉しい思い出になりました。セミナーへ参加させていただいて、本当にありがとうございました。

 

 

 

(文責:高比良飛香)