鉄の女
昨日今日と、とある映画で使用する戦闘機をつくっておりました。未だ骨組みの段階ですが、胴部の溶接をひたすらこなしておりました。
少人数できりもりしている会社ですが、いつも皆で共同作業というわけでもなく、それぞれ担当の仕事もあり、同じ作業場で同じ道具を使っているけれど、印象としては個人作業という感があった。 けれど、今取り組んでる戦闘機の、レーザーで切り出した部材を、図面見ながら、各所押さえながら溶接しながら、皆で組み立ててゆく作業、この連帯感がやっぱり面白い。
雑多な部品達が集まって、ひっそりと大きな姿を現し始めるという過程は、とても興奮する。
もらったデザインを図面におこして制作することが多いけれど、ただの手足ということでは決して無い。 制作段階で曲線をどう処理するか、重量や強度の計算、材の固定の仕方、等等一見ひたすら職人作業だけれど、思っていた以上にこれは創造的な作業だ。
鉄だからかもしれない。鉄は、常に何かしらの姿を見せつけているように思う。
木材であったら、仮の姿という感が強いけれど、鉄は どんな状態であっても、油まみれであっても、ひんまがって立っている姿も、成立している。 ひたすらに自由な素材。
鉄が、こんなに自由でこんなに繊細な素材だなんて知らなかった。 そして美しい。
今後、どうなるのやら 当面は鉄の女を目指す事になりそう ダ。