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やはり愛機…

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ミノルタSRT101について少し語ります。
が、しかし、語ろうにも特徴がない…。良いカメラなんです。使いやすいし比較的に丈夫だし。でも、地味ですよね。だから購入した方も、写真の腕が上がると何か足りなく感じて手放されてゆく。それは慣れ親しんだ女から、洒落た東京の女やドイツ系美女に心を移す男に似ています…。機能に不満は全くないのに、他社に比べると作り込みの弱さでしょうか。後年ミノルタは斜陽化したライカ社と提携しましたが、めぼしい効果は得られず製品に生かされた分野が限られたようです。
その意味から、最もミノルタらしい時期の魅力に充ちたカメラと言えば私は本機をあげます。

今夜の友

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幾多の作家が描いた『徳川家康』。その人物像は作家による歴史観の中で定着しているが、その中でも坂口安吾著『道鏡、家康』現代小説文庫。昭和62年初版は秀逸。
現在は廃刊の可能性がある著作。(おそらく坂口安吾全集に収められているはずだか…)
著者は、家康を「平凡な偉人」と定め、古狸でもなく策謀家でもない、とする。おそらく兵卒なら役に立たない臆病な人間であったはずだが、大将の家に生まれた事で時代が彼に流れを向けた。そして家康は現実に誠意を以て命をかける根性だけは人一倍な人物であると推察している。
作家坂口安吾の歴史観は示唆に富み、くだけた表現の中に真実を読み解いてゆく。時代を見抜いた洞察力の鋭い人物評は、半ば娯楽化した大河ドラマに熟み見飽きた人、もう少し切れ味の良い歴史ドラマを空想したい人に魅力的であると思う。昨今、是非の一冊。

雑草の天下

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都内、朝の通勤電車内は凄い混雑です。あのグウの音もない場所こそが、実は都内で働く人々の勲章かも知れません。狭く押し込められて、お互いに我慢する。他人の存在と自分とを維持しながら懸命に目的地へ疾駆する電車の中、あの車内こそ全員のエゴイズムと調和、つまり平和の象徴だと私は思います。そこで他人と喧嘩したり、痴漢行為をするのはエゴイズムとは称さず社会に不和をもたらす重大な犯罪と呼ぶべきでなんでしょう。私も、あの電車に荷物抱えて乗り込むのは勇気要りますけど、…誰となく隙間を寄せながら、黙々と仕事に向かうんですね。演技でも強制でもない日々の営みのため、未来へ向かう現代人の歴史だと思います。