跳び安座…7・弁慶の膝
前勁骨筋…弁慶の泣き所という場所。
もう一度、思うように舞いたい。そんな衰えた足腰を鍛えようと考えての座学をしている。
表題にある『跳び安座』で、実際に舞台や稽古中で骨折や肉離れなど実例を見聞しているからだ。
さて、能楽の仕舞で使うのは遅筋・速筋の主にいずれなのか。最近、思い浮かぶ素朴な疑問である。
ありていに言えば、その両方なのだろうけど、使う筋肉を意識して部位を区分けトレーニングする明確なテキストも必要かも知れない。
ところで、前脛があれば『後脛』もある。場所は(ふくらはぎ)…腓腹筋・ヒラメ筋の裏側に位置する。
『前・後』ともに役目は足先、つま先を伸ばし体重を支える。弱くなると扁平足の原因になるとされる。あるいは歩行中に躓きやすくなるという。
この『前、後』は遅筋であり持久性質の筋肉である。ここを鍛えるには、肺から取り入れた酸素で中性脂肪を燃やしエネルギーとする、簡単なつま先運動から、果てはマラソンなどがもっとも良い。
ちなみに隣接する腓腹筋やヒラメ筋は
速筋であり、負荷を入れた筋トレが必要となる。
ここまで考えると姿勢維持、『動かぬ事』を支えるには遅筋をトレーニングし、『跳び安座』など鋭い動きや筋肉の制動を使うには速筋が必要と思える。だが、それが答えと簡単に思えないのも『能楽』ゆえなのだ。
