偽歯医者
むろん、飼い犬であっても簡単に歯磨きを犬がさせる訳がない。まして、鋭いピッカーを口腔へ差し入れての歯石取りは難しい。
だが、こいつは私には絶対服従の関係なのだ。いわば、『ケンシロウを前にした虎の心境※』にある。
予想通り、犬は素直に口を開けた。以来、毎晩寝る前にピッカーで歯石を削り、歯ブラシで仕上げてきた。十数年にわたり放置してきた歯石
は頑固で、当初はピッカーすら効果がなかった。
毎晩、引き上げるように削る。犬は逆らいもせず、作業が終わるまで歯科検診を受ける患者のように口を開けている。
そして、年末にペキッと僅かな音を立てて歯石が剥がれた。
カバーを剥がすように見事に取れた。
ネットでは、犬の歯石取り用の薬用ペーストもあるらしい。
だが、そういう薬剤を使わず道具だけで、小まめに歯磨きとピッカー作業でも、歯石対策は可能だ。
しかし…その前に、犬を『飼い主に従わせる』事が大切なんだな。
※『ケンシロウを前にした虎』とは、まさに恐怖を超越した死の覚悟を虎に与える事に他ならない。
詳細は『北斗の拳』を参照の事。

