おおきに…ほんまでっか?
大阪より海道下り、北関東に戻る道中。
大阪の地で三泊して、撮影仕事の終わった三日目は一人食い倒れを目指していた。
あと…関西弁の収集。
曰く、『関東、東京のヤツラが似非関西弁使うの気持ち悪いし、我慢ならん』って…まぁ、東京で仕方なく生活する『自称関西人』の慣用表現の一つ。
そういうネイティブ関西人の嫌みに屈せずに、密かに関西弁とは何かを考えていた私には、まさしく絶好の機会である。
京橋のガード下飲み屋、天満宮のうどん屋、鰻屋、鉄板焼屋、鴫野商店街のタコ焼き屋など耳に神経を集中して、関西人の発する『関西弁』を味わう。
たぶん、当地に半年も暮らせば発音に関しては『らしく』真似する事も可能。
特に天満宮や鴫野で耳にした関西弁は美しい…とさえ感じた。
一年くらい大阪で暮らせば、似非者にはなれる…はず。
だが、絶対に余所者である私には不可能な言葉があった。
それが『ほんまでっか?』だ。この『ほんまでっか…』が、普通の会話でも絶妙のタイミングで出てくる。
『えっ、マジ?』
『あぁ、そうですか?』
『ぁあ、左様ですか…』
私見として『左様ですか?』が語感として、一番に近いように思われたが、とにかく間髪入れずに出せる言葉ではない。
似非として表面を繕う限りは破綻する。
それは能楽の謡や仕舞も同じ。一生続ける気力と覚悟でやらないと、本物になるのは難しい。
…関西弁はな、オマイラ、東北の余所モンには一生真似できへんよ。
…ぇえ、そんなの無理やねん。最初から知っていたゎ。
…だから、それヤメぇ。
…でもな。ワシな、毎日、東京から大阪まで新幹線で通ってな。京橋のガード下で関西弁勉強したってねん。
…ぇえ、ほんまでっか?、、東京から大阪まで、毎日?
…ほんまや。気持ちだけは関西人やで。
…もぉ、大概にせぇ!
写メは、太閤さんと鴫野商店街にある洋食焼き・タコ焼き屋『かおり』…の逸品。これが『ほんまに』旨い。粉モンの魂が感じられた逸品。
また買いに行きたいなぁ。

