歴史と鎮魂
ブログで述べているように筑波海軍航空隊記念館は『県立こころの医療センター』病院敷地内にある。
戦史・歴史資料館として戦時の面影を伝える貴重な建物であるが、観光地として永続するためには幾つかのハードルを有する。
病院である以上、静かに来訪出来るような環境整備が必要なのだ。そして可能ならば戦史資料と同様に精神治療の資料展示もあって欲しい。
なぜならば、隣接する病棟や建物に無言の治療史と人々の存在を自分は感じたからだ。我々は精神医学や治療に対する知識や理解が深いとは必ずしも言えない。むしろ、『無理解である』と言うべきものだ。
筑波航空隊へ予備学生で召集された隊員達は都内の私立大学生が多かったという。彼らが戦争を好む理由など皆無に等しく、平和な日本の姿を否定しないであろう。そのために叡知を尽くす事は我々の努めであるし、彼ら隊員達の望みに答える事と思われるのだ。
我が国の戦争史、精神医学史ともに困難な歴史の連続がある。ならばこそ、資料として維持共生する可能性を模索しても良いのであるまいか。
困難な歴史であるからこそ、正しい資料の集積を果たし、その魂を安らかにして伝える作業も、また鎮魂になると考える。

