海軍基地と入院病棟…連鎖する死の陰影 | HOODのブログ

海軍基地と入院病棟…連鎖する死の陰影





旧司令部庁舎・記念館は病院敷地内にある。映画『永遠の0』撮影場所として観光宣伝されており、幟旗もある。入館料は大人500円。

係員の方に、駅から歩いてきたと告げると少し驚かれてしまった。

親切にも『帰りはバスでお戻りになった方が宜しいですよ…』と、わざわざバス時刻表を確認してくれた。『一時間後にバスが病院前に来ますから、それをご利用下さい』




旧司令部庁舎は戦後、病棟として使われた。そのため、海軍施設というよりも古い病院の佇まいも色濃く残す。入り口受け付けの窓に『薬局』と消えかかった文字があった。そういう道具立ては、私自身が幼い頃に肺炎で長期入院した病棟と同様だった。この薄暗く続く廊下、病室ドアや真鍮製ドアノブなど、まさに閉じ込めておいた記憶が鮮明に呼び覚まされた。

いや、海軍飛行場跡や記念館の歴史探訪が目的なのに、妙に気分が落ちて行く。
各部屋にあるスチーム暖房機の鈍く銀色
が、さらに私の気持ちを深くした。

ぁあ、あの風景だ…。

桜花訓練や体当たり攻撃で戦死した予備学生達、戦後に病院で亡くなった方々、私の幼児経験…ないまぜになって『死の陰影』がグルグルと回り出す。

退院出来るのはいつなのだろう…戦争はいつまで続くのだろう…誰か見舞いに(面会に)来ないかな。


隣の病室にいた御婆さんが亡くなった…先日、出撃した友のご両親が見えた…。
時間軸が並立するように『死』の匂いまでが、私に何かを囁く。

死とは万人に平等だが、戦争による死は違う。しかし、我々には戦争による『死』に対して『物語』や『語り部』を求める。そういう思いが日本国内の戦争記念館には少なからずある。

だが、ここが病棟であった事が私の『死』に対する体験感覚を増幅しているようだ。

とにかく…帰る前に展示資料は見ておかなくちゃ。