また旅に出るよ
最後の桜、借り物ライカで撮影してみる。
キュ…と機械と連動した布幕が閉じる音が一眼レフとは感覚性能が異なる。
航空機に例えるならば、一眼レフが空冷エンジンの響きであるならば、ライカは液冷エンジンの趣がある。しかし、簡潔なフィルム装填、確実な作動とファインダーで狙える機材は日本製一眼レフである。
それでも、最後の桜を見送るべくライカを使ってみた。
やはりライカは記号的カメラであり、一種の慟哭を持った道具だった。どこか人間臭い…愛機とする人々の気持ちが理解できる。
だが、このカメラを持ち主にお返ししたら、もうライカを使う事はあるまい。
趣味で撮影するならば最高の機材ではあるが、私には縁がない。そう思いながら、私は最後のスプロールを抜いた。
さようなら。短い間だったけど楽しかったよ。
