借り物ライカ | HOODのブログ

借り物ライカ


四月から郷里に引き込むため、久しくお借りしていたライカを先方へお返しする事になった。

何しろ…『借り物ライカ様』だ。使うのも神経が必要だった。
このバルナック型ライカに付いては多くの識者が述べているので、このブログでは触れない。
ただ一言で言うならば、一緒に写り込んでいるIXY60がコンパクトデジタルカメラでありながら、カメラとしての発想、その始祖をライカに求めている事は明解な事実であろう。
同時にデジタルカメラが高級一眼レフであってもPCの周辺機器に過ぎず、運命として使い捨て使用で終始するように、ライカもフィルムシステムが終焉を迎えた時に『機能』を終える。様々なアプローチを試みても、記録作業のフィルムシステムは終焉が近い。しかし、フィルム撮影では『ライカ』は優れた撮影機材であった。精緻なメカニズムと静かなレリーズ音。象徴的に対象を見るファインダーは使用者として、他に優るカメラは思い付かない。

しかし、今となっては凝りすぎた構造が最も使いにくいカメラの一つであり、精密機械とは『哲学の言質』に等しい構造を持つ、有する存在であった。
『ライカ』を使うという行為そのもの、この意識が撮影者には邪魔である事を学んだ。使用する機材が記号化する、手段が目的化した危うさ。ライカとは、そうしたカメラでもある。