四季は美しき | HOODのブログ

四季は美しき

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寒い。久しぶりに冬の空気を味わう。この東京近郊の緩い冬空に比べれば、東北の山裾にある地域は厳寒に違いない。あの足裏から冷え込んでくる冷気が、ここにはない。


仕事や稽古も一段落したので、古いカメラを持って街に出た。仕事先の大先輩から余ったフィルム(仕事用では期限切れ)を沢山貰ったので、遊んでいるのだ。

愛用はミノルタSR1を使っていて、気まぐれにリコーのXR500を持ち出す。今は、誰も見向きもしないカメラ達だ。中古屋ならワンコインで売っていたりする哀れなカメラでもある。。

そういう機材を下げて街を行く。しかし、曇天に気が重い。もっと遠くに行きたいのに、自分は何に遠慮しているのか。

行ったまま帰りが容易ではない山間の村に寺などないものかな。…と、便利な都会暮らしに慣れ親しみ、自らの『人糞』の始末すら覚束無い身で、利便性が途絶した環境に暮らせる訳がない。
地方の四季、美しさを紹介します…なんて写真家に私が嘘臭さを感じるのは、いかに過疎地域が不便であるのか。少し前まで『おつりが来る』体験を余儀なくされた身ならば周知の事だ。

日本の山野は美しい。しかし、美しさの裏腹に生活の厳しさがあり、拭い切れない哀しさがある。