猫だまし
病院のテレビで大相撲をみていた。
と、横綱白鵬が栃煌山に『猫だまし』奇手に出た。
この『猫だまし』は、幾度か見ていて記憶している。大抵は、出した方が負ける。強い相手には奇襲にすらならないようだ。
古くは大関三重の湖が、横綱北の湖に対して『猫だまし』を見せたが破れた。
全盛期の朝青龍に対して、下位の力士が使った取り組みもあったように記憶している。
だが、実力上位の力士には通用しない技だ。しかし、今夜の取り組みを例にして、上位の力士が下位の力士相手に行った場合は効果がある。
少なくとも、意外性が強い。
白鵬も以前よりは体力は落ちているはずで、補うための奇手なのだろう。誰が用いても誉められた技ではないが、奇手を用いた場合の鉄則が一つある。
それは奇手・奇襲を行う場合は、絶対に勝たねばならない。敗れると愚策だけが目につく。いや…下手をすれば信頼すら失うだろう。
その意味で白鵬の勝利は、最低限の勝算よりの結果に過ぎない。
でもね…実際に猫に『猫だまし』をしても、全く効果ないんだよね。
バカにしたような目付きで、猫に無視されるのがオチだ。
