♪カラーも色褪せる白黒のチェスボードの上で君に出会った…(Colors)宇多田ヒカル
…納品作成、深夜に目眩。手が震えてきた。
畜生、これまでか。
精神が死にかけた時に聞く宇多田ヒカルは最高に良い。
突き放すようで包み込む歌詞と彼女の声。
『あは、そうなの?』彼女は私の左目瞼に、手のひらを当てて『ほら、こうすると、やはり私は見えない?』…と真面目な顔で、こちらを見る。堅く閉ざされた視界に、彼女の指先、冷たい手のひらが心地よかった。
手を離すと『ごめんね。一本だけ良いかな…』とタバコを出して火を点けた。薄い紫の粒子をモニター光が写し出した。
『フッ…』と息を吐く。
そうして、また歌い始めた。