私が能を習う理由
私の推しメン…能『羽衣』を舞った際に使用した小面。一番、不細工でブスな子を貸して下さい…と頼んで、使わせて頂いた。結構、見る角度では可愛いよ。
能を習って面白い事は何ですか? …と、たまに聞かれる。
能を習って面白い事…ですか。実は、あまり面白くないですよ。ずっと学生時代から師範には叱られる続けだし、たまに頭に来るくらい稽古が嫌になる時もある。
しかも舞台に上がれば試合同然の気合いで臨み(学生時代から続けた場合、この傾向は強い)、素人同士でも、切磋琢磨するライバルは多い。しかも何かと物入り…。面倒なくらい『意識高い系』も生息する。
能を舞うまでに相応の稽古も必要で、まともに演じる気構えがある人ほど求められる壁は高くなる。
まぁ…それでも、学生時代に稽古を初めて三十数年あまり。全然、上達しない。下手の横好きすらも言葉が合わない。
私は他人との競争は苦手で、稽古も嫌い、物覚えは最悪である。それでも能を止めなかった理由は、能が一生続けられる世界と言うことだ。
いずれ老いて舞えなくなって、声も出なくなる。やがて、死の床にいる最中でも、やはり謡の一つくらい欲しい。
