捧げる景色 | HOODのブログ

捧げる景色


先日、亡くなった叔母の葬儀に合わせたのが理由ではないが、私は六年以上伸ばしていた髪を坊主頭近くまで切った。

髪を中心からバッサリ切り落とした瞬間、『ぞわり』とした感覚があって急に頭や肩が軽くなった。

それは、ずっと単推しである(峯岸みなみ)が、例の世界を駆ける坊主頭事件、いや…揶揄しているわけではなくて(俺はアンチじゃないから!)、彼女自身も、髪を落とした瞬間『あっ、何か急に軽くなった…』という気持ちはあったに違いない。
通常は髪を下ろす感覚は女性しか味わえない瞬間なのだと思う。


叔母は男性の身だしなみにも厳しい人で
あったけど、叔母主催の洋画展会場で十数年振りに再会した私の長髪姿を見て『○○ちゃん、似合うわね…きれいな髪だし…』と言いながら、私の髪をまとめてくれた。

叔母に髪を誉められたのに気をよくしていたが、その言葉も時間の流れに消えて行く。

そういう気持ちもあって、叔母の死去に捧げて髪を落とした。
もう私に髪は無いのに、叔母が私の髪を撫でている感触だけは、まだ残っている。これも、日常から髪を扱う女性ならば理解出来る事柄なのだろうか。

写真の絵は、東日本震災を受けた当日に、その夕方から余震の続く中、叔母が一気に書き上げた桜…各地の被害を知り、人々が亡くなってゆく状況で、叔母の脳裏を桜が猛烈な勢いで駆けたのだ、と語ってくれた。