後ろへ流れる風景 | HOODのブログ

後ろへ流れる風景

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買うべきか、少し悩んだが…ジャンクカメラSR7s。

また増やすの?

実は、買い漁るにはそれなりの理由がある。
もうすぐ、私は首都圏を離れて実家のある地方に移るのだ。そこは容易くジャンクカメラ探しも難しくなる場所だ。カメラ屋はあるが、定価を月賦ローンで販売するだけの小規模店だ。
プリント代も都内より割高で、フィルムに至っては現像に一週間以上待たねばならない。

そして能楽撮影者は、たぶん百キロ圏内で私一人だ。


買えるうちに…という気持ちが先立ち、ついにはミノルタ初期シリーズが集中。
引っ越しの荷物を無駄に増やしたわけだ。

今回が最後に購入したカメラとなる可能性があるが、やはり私が手にするカメラは最後までジャンクとはね…ニコンFの美品を買うのが正統派だろうけど、完成されたものより、部品が外れて壊れたり、見捨てられた機械を治す事が、私は好きなのだ。

悩んだ末に入手した7型だが、細かい不具合が見つかって裏蓋は他のジャンクから流用する事態となった。

『一台のジャンクカメラを修理するのに、三台のジャンクカメラが必要である』…まさに、この箴言を地でゆく有り様だ。
手にした7型はシャッター音が良く、調子は悪くない。

裏蓋のフィルム圧板に下手な小細工がしてあって、このままでは使用に耐えない。仕方なく他の同型機ジャンクから裏蓋を流用した。外してみて、7型と以降の同型機の裏蓋の描線が微妙に違う事を知った。ボディダイカストは同じでも、裏蓋は差があるのだ。

そうして修理した古いカメラで都内の街角スナップに興じる。名残を惜しむように…都会生活が長かったから、街との別れは尽きない。人との別れ、私は街を離れて、流れていた関係も次第に忘却してゆく。私と私の間にあった時間が消える。