内部事情
一枚目…ギラつくメッキ。
二枚目…上後期、下前期
三枚目…前期のアップ・メカが一杯。
来月に撮影依頼が一つ入り、必要なレンズ機材を探しに都内の量販店、中古屋を廻る。機材を少し一新したいのだ。
某店にて、例によってジャンク棚も見た。『せっかくに来て、何も買わないのはツマラナイ』で、同じ500円で難ありのミノルタSR1初期型を購入。 今から五十七年くらい前に発売されたカメラで、シャッターが油切れと劣化で甘くなっている。その他には問題はない。当たり、傷もなく外形はキレイだ。
この時代のミノルタ製品は、特にメッキに特徴があって、燦々と銀色に輝く。
その夜。『注油で、何とかなりそうだ…』まずは下カバーを外し、ん…?
すでに後期型は入手して調整済みだが、内部構造が全く違う。ミノルタSR1は前期後期の差ではなく、全く違うカメラだった事を知った。『一体、何があった』
無事に下側の調整部に注油を完了。カバーを着け直し、次に上カバー。ギッ♪…かに目ネジの締め付けが固い。
どうにも無理だ。実家にある道具を用いないと開きそうもない。
諦めて、シャッターをレリーズする。
やはり、まだ甘い。上部にあるメカから注油を必要としているようだ…。
もう少し油が回れば…そうだな。数十年放置されていた機械ならば、まだ油は必要だろ。悪魔的発想で、スポイトから注油してみる。
お願い…カメラを大切にする良い大人は『絶対に真似をしないで下さい』
そうして半日、油が上へ廻るようにカメラをひっくり返して放置。
力なく作動していた後ろ幕も、だいぶ良くなった。動態保存としては一応の完了。シャッター調整ギアに手を付けないのは、この箇所は意外と扱いにくさがあって、この調整で幕を切る人が多いと考えるからだ。落下や衝撃がなければ、調整ギアが外れたりはしない。大抵の不具合は、注油で処置可能というのが見解。
しかし、前期後期にメカ的相違がありすぎて、一説に労使関係や下請け会社との契約トラブルがあった話などを思い出した。設計の違いというより、ミノルタの工場側の意向が激しく反映されているんだろうか。
私的には、前期型にミノルタ本来の構造を感じるし、部品仕上げの差は歴然としている。そこに、色んな意味で昭和時代の空気を感じた。


